膵臓(すいぞう)がんなど、多くのがんの原因になる
たんぱく質の働きを抑える可能性がある 物質を突き止めたと
神戸大大学院の片岡徹教授らの研究グループが29日発表した。
片岡教授は 「研究が進めば、全てのがん患者の2割に 有効な
抗がん剤の開発につながる可能性がある」と話している。
論文は米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。
研究グループによると
「Ras」と呼ばれるたんぱく質は、 大腸がん患者で40~50%
膵臓がん患者で60~90%
全がん患者では 約2割で活性化し、重要ながんの原因物質の一つとされる。
抗がん剤は、がんを起こす たんぱく質表面の 「ポケット」と 呼ばれる構造と結合し
がん細胞の増殖を抑える。
グループは2005年に Rasのポケットを発見。
今回、 約4万種類の 化合物を解析したところ
三つの物質がそれぞれ Rasのポケットに 結合することを発見し
「Kobe(神戸)ファミリー化合物」と命名した。
マウスに ヒトの大腸がん細胞を移植し
Kobeファミリーを投与したところ、がん細胞は投与しなかったマウスの約半分に縮小した。
Kobeファミリーは いずれも有機化合物で 生産も難しくなく
薬剤に応用しやすいと 片岡教授らはみている。
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時事通信より
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130430-00000009-jij-sctch