実はセンサーの話じゃなくて、ローパスフィルターの話なんですけど。

センサー自体は、D3の場合ソニー製じゃなくてルネサステクノロジが開発したものです。


CMOS
ニコンは自社開発と言っていますけど。

D2Xのときはもっと遠慮してソニーと共同開発と言ってましたが、ほとんどソニーでしょう。

ルネサステクノロジと言えば、キヤノンのセンサーを開発した三菱電機と日立の合弁会社です。

今もキヤノンのセンサーの多くを生産していますが、キヤノンは自社生産と公表しています。

実際、キヤノンも生産はしていますが、そのためエンジニアをキヤノンに引き抜かれたとルネサスは怒っています。


そりゃ、いいんですが、今日はローパスフィルターの話です。

ローパスフィルターというのは、センサーの前にあって、高周波成分をカットするもの。

機能としては、偽色が出ないように少しぼやかすんです。


LOWPASS
偽色ってのは、特殊なものを除いてほとんどのデジカメセンサーはこんな色の配列です。

赤・青・緑の3色で1画素の色が決まるんですが、画像のエッジは青と緑だけとか青と緑だけとかになります。

そうなると、本当の色が出なくてウソの色がでるのを「偽色」といいます。

また、網とか縞もようが重なるとモワレというパターンが見えますが、センサー自体が格子状なのでデジタルカメラで縞模様や網目を撮るとモワレパターンが見えてしまうのを防ぐ役割もあります。


そして、一眼デジカメの場合ここにゴミが溜まります。

それのお掃除をしてやる練習を新宿のニコンSCでしてきました。

D3を最後に、以降発売されたカメラは振動でゴミを振り落とす機能が付いています。

でも、湿ったゴミはどうしても振動では落ちないので無水エタノールで拭いてやる必要があります。

部品を組み立てる前に、「エイジング」と言って部品を擦っておいてダストが出にくい処理はするのですが、それでも部品の中からダストが出るのは避けられないそうです。


ニコンの人はカメラの部品を使ったルーペを使ってダストを確認するのですが、

「D3のローパスフィルターはゴミが見え難いんです。」と言っておられました。

「表面がほとんど反射しないからです。」

今まで、デジタルカメラのローパスフィルターは、フィルムと比べて光が反射しやすいためフレアが出やすいと言われていました。

ローパスフィルターで反射してレンズの後玉で反射するということなんですね。

つまりD3はそれが発生しにくいというメリットがあるというわけですが、そんなことパンフレットのどこにも書いてありません。

そうなんだあ、エライなあニコン!