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アスリ-トの鎮痛剤使用について 

以下は2001年にトライアスロンMLに投稿した「百害あって一利なし、鎮痛剤無用論」です。全く同意見なので参考までに!!       キャファ通信Vol.1209,2001
 
いつでもどこでも大会前の更衣室は鎮痛消炎スプレ-の臭いで溢れている。成分はサルチル酸メチル(サロメチ-ル)が多く鎮痛消炎作用があるので競技中の筋肉の痛み、腫れ又は痙攣の発生予防を願って、“おまじない”として使用していると思われる。

実際米国でもアスピリンという解熱鎮痛剤が“おまじない”的に使われている。もちろん腰痛や関節、筋肉等に痛みがあっての使用も含まれるのであろうが、疼痛強度のサインを見落とし故障の原因になり危険なので、疼痛が心配される時はスタ-トラインに立つべきではない。

明らかではないが使用状況からみて連用により習慣性があるのではとも想像される。確かにこの種の薬剤には末梢性の痛みには有効で、効能面から分類すると鎮痛消炎剤と解熱鎮痛剤に分けられるが鎮痛作用は共通である。この作用機序のクスリに限定すればド-ピング禁止薬物には指定されていない。

商品宣伝の如何にかかわらず作用は生体内の痛みの原因であるプロスタグランディン(以下PGs、十数種類存在)と呼ばれる生理活性物質の生体内合成を抑える事により炎症と痛みの元でもあるブラジキニン、ヒスタミン、セロトニンなどを増強させるPGE2という物質の産生が抑えられる事で効果が現れるが、疼痛と炎症の発症予防効果についてははなはだ疑問である。

実際PGsは炎症反応の過程で極めて重要な役割を担っているので、生合成が抑制され続けると炎症からの回復も遅れる事になるがあまり理解されていない。生体が化学合成するのも困難な構造式をもつ不要、無駄な生理活性物質を産生するとは考えられない。

アスリートでも有名なあの「マフェトン理論」に出てくる脂肪の種類でいうBファットがこの物質の材料になるので、マフェトンはBファットの摂取を避けるように指導しているが、食事でゼロにするのは困難だし、全く悪玉と言う訳ではない。

生理物質に悪玉作用だけのものは存在しないのではなかろうか?PGsの生理作用は30年ほど前から少しずつ明らかにされ生体の局所ホルモンとしてあらゆる臓器のホメオスタシスを維持する役割を担っているので、PGsの生合成が慢性的にストップされると顆粒球の増加と循環障害からあらゆる臓器不全が現れ臓器によっては致死的となるので短期に使用するのが原則である。

弱者である小児、妊婦と高齢者の連用はさらに致命的と言える。最近では悪玉の生合成だけを抑制して副作用の消化器症状がないという新薬も出ているが定かではない。頓服的な服用でも消化器症状(潰瘍)とアレルギ-反応(ショック症状)が防げるわけではない。内服薬、注射剤、座薬やハップ剤でも何ら作用も副作用も変わらない。

従って背に腹は代えられない疼痛発現時に最低限で服用する事はやぶさかではないが、小型スプレ-を携帯して緊急時に使用するアスリートも多いが、大会前の予防投与は全く意味がない。

副作用もなく急性症状の腫脹、疼痛が抑えられたとしても、逆に治癒期間を長引かせる炎症増悪剤と認識すべきである。現役のアスリ-トには解熱鎮痛剤や鎮痛消炎剤は必要ないのではなかろうか?鎮痛剤の副作用で死ぬことはあっても筋肉の疼痛、発熱や炎症だけでは死なないであろう。

この種の鎮痛剤が不要と言うのではなく、慢性の炎症性疾患や頭痛、外傷等で手放せない場合があるので、適性な使用が望まれる。鎮痛剤は使わないといっても同種の成分は風邪薬をはじめいろんなクスリにも配合されているのでさらに注意が必要となる。        

HP病気と気功体験データベース

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