古代哲学から現代思想まで、わかりやすい入門書を書くことに定評のある竹田氏

ただ単に入門、啓蒙家としてだけでなく、現象学を背景にした思索は相当な深みがあり、手練れの思想家です

その竹田氏が、西洋哲学の元祖プラトンを独創的に、分かりやすく語ったのが本書


プラトンはラッセルやポパーといった数々の現代思想家から強い批判を受けており、それら現代の批判への反論も読みごたえがあります


前に紹介した藤沢氏の著作がプラトンの真髄を凝縮した本なら、こちらは竹田氏の思想の入門にもなっている斬新な再解釈と言った感じ


竹田氏は前述の通り現象学の影響が強いので、心なしかこのプラトンも現象学的なプラトンに見えるのが特徴でしょうか


ページ数も入門書にしてはやや厚く、いろいろなテーマに触れていて最初の哲学書にももってこいです


竹田氏は西洋哲学、思想全般の入門書から、ヘーゲルやニーチェ、フッサール現象学、在日文学に市民社会に井上陽水の評論と、多様なジャンルで力作、その分野の代表作を次々発表しています


本書は西洋哲学の元祖に触れながら、竹田氏らしさが色濃く出たオススメの入門書です