原発問う国民投票は無効へ ブルガリア、必要な投票率に届かず
2013/1/28 10:44 (2013/1/28 11:01更新)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM28014_Y3A120C1000000/
【ソフィア=共同】新たな原発建設の賛否を問うブルガリアの国民投票は27日、投票が終了した。選挙管理委員会によると、開票率97%超の段階で、賛成がおよそ61%と過半数を占めた。地元世論調査会社の調査結果では、投票率は21.8%で成立に必要な水準に達せず、無効となるのがほぼ確実になった。
ただ、過半数が賛成し投票率が20%を超えた場合、国会での再審議が必要で、政府が中止を決定したベレネ原発建設計画について国会で議論される可能性が大きい。
ボリソフ首相は、再審議になった場合、「原発建設計画に反対する」と述べた。野党、社会党は賛成が過半数の見通しとなったことから「負けたのは首相」と強調。東京電力福島第1原発事故を受け、世界で脱原発をめぐる議論が高まる中、ブルガリアでは原子力政策をめぐり、政争が一層深まりそうだ。
ブルガリア政府は昨年3月、費用がかかりすぎるとして北部ベレネの原発建設の中止を決定。自らの政権時代に建設計画を進めた社会党が反発、国民投票に持ち込んだ。
「ブルガリアは新原発を建設し、原子力産業を発展させるべきか」が問われたが、国民の間で「政治家の利権争い」(地元ジャーナリスト)との見方が広がり、多くが棄権した。成立には前回国会選挙の投票者数から導き出された約62%の投票率が必要。再審議になった場合、国会は3カ月以内に結論を出さなければならない。
政府は、ベレネ原発の建設には総額約230億レバ(約1兆4400億円)の費用が必要と主張。付近で大地震が起きる可能性もあり、福島の事故後に安全評価もやり直した。
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このニュースだけ見ると、なんのこっちゃ解らない
「原発建設賛成が61%なのになんでこんな投票率低い(21.8%)の??」
とか
わけがわからないよ
(営業マンはお帰りください)
となってると思うんです。
さらっと解説すると
与党(欧州よりの中道右派)の言い分は
「ベレネに建設している野党が建設を決めた原発は、ロシア企業にお金が落ちて、建設費も当初計画よりかなり高騰しており、コストが高く付くから中止したい、エネルギーでロシア頼みは他の東欧の情勢を見ても危険。原発自体は国内企業に別の場所に作らせる、その方が国益になる」
野党(社会党等)の言い分
「この計画は既に国民の信を受けており、国民は原発計画に賛成しており、電力安定を望んでいる、計画はこのまま継続されるべき、建設一時停止に関してロシア企業からから多額の補償を既に要求されており(国際司法裁判所で1億ユーロの補償を既にロシア企業から提訴されている)これこそ無駄だ、ロシアとの関係も悪化する」
という話で
見出しに有るような「原発問う国民投票」ではそもそも無かったという情勢(その必要すらない・与野党ともに推進なんだから)
そして、こういう政治的な綱引きの結果
元々は
「ベレネ原発の建設に賛成か反対か」
という内容の国民投票から、前政権党の野党社会党が、国民投票について与党の合意が得れなかったため(ベレネの文言を削除しないと認めない)
投票内容から「ベレネ原発」を削除して
「新原発建設によって原子力エネルギーを発展させるべきかどうか」
という国民投票になって実施…
いきなりこんな内容にすり替えられて、投票しろって言われても(笑)
国民としては「ブルガリアの今の状況で原発は必要なのは当たり前だから、政治家がグダグダ言ってないで電力を早く安定させろ」
と呆れた結果、こんな低い投票率に
元々のベレネ原発の可否だったら、投票率はまだ高かったでしょうが、既に投票の意味が無くなっている。
こういう実情が、なぜか日本の報道には抜け落ちている
http://www.novinite.com/view_news.php?id=147119
http://www.world-nuclear-news.org/NP_Yes_vote_for_nuclear_2801131.html
(日本国内の原発の賛否と絡めて報道したいからでしょうけど)
「政府は、ベレネ原発の建設には総額約230億レバ(約1兆4400億円)の費用が必要と主張。付近で大地震が起きる可能性もあり、福島の事故後に安全評価もやり直した。」
のくだりは中道右派政府が
「ロシア企業にお金を落とすのが嫌でベレネ原発建設凍結を目指す」
ための後付の理由でしかありません。
まとめると
ブルガリアでは「原発が必要なのは当たり前」という国の状況で
与党は欧米寄り、ロシアと距離を置きたいから、ロシア企業主導の原発建設を凍結したい(国営企業で原発作るよ)
野党はロシア寄りで、元々自分たちの政権で決めた計画だから無論賛成、国民の早期の電力安定を望む声を追い風に、ロシア企業主導の原発建設を推進
とどの詰まり「何処の企業が作るか」で揉めてるだけ
東欧の情勢や近代史を読んでると、「日本の常識は通用しないな」とつくづく思います
ロシア「僕と契約して、原発つくろうよ」
魔女化しそうなんでお断りします!
2013/1/28 10:44 (2013/1/28 11:01更新)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM28014_Y3A120C1000000/
【ソフィア=共同】新たな原発建設の賛否を問うブルガリアの国民投票は27日、投票が終了した。選挙管理委員会によると、開票率97%超の段階で、賛成がおよそ61%と過半数を占めた。地元世論調査会社の調査結果では、投票率は21.8%で成立に必要な水準に達せず、無効となるのがほぼ確実になった。
ただ、過半数が賛成し投票率が20%を超えた場合、国会での再審議が必要で、政府が中止を決定したベレネ原発建設計画について国会で議論される可能性が大きい。
ボリソフ首相は、再審議になった場合、「原発建設計画に反対する」と述べた。野党、社会党は賛成が過半数の見通しとなったことから「負けたのは首相」と強調。東京電力福島第1原発事故を受け、世界で脱原発をめぐる議論が高まる中、ブルガリアでは原子力政策をめぐり、政争が一層深まりそうだ。
ブルガリア政府は昨年3月、費用がかかりすぎるとして北部ベレネの原発建設の中止を決定。自らの政権時代に建設計画を進めた社会党が反発、国民投票に持ち込んだ。
「ブルガリアは新原発を建設し、原子力産業を発展させるべきか」が問われたが、国民の間で「政治家の利権争い」(地元ジャーナリスト)との見方が広がり、多くが棄権した。成立には前回国会選挙の投票者数から導き出された約62%の投票率が必要。再審議になった場合、国会は3カ月以内に結論を出さなければならない。
政府は、ベレネ原発の建設には総額約230億レバ(約1兆4400億円)の費用が必要と主張。付近で大地震が起きる可能性もあり、福島の事故後に安全評価もやり直した。
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このニュースだけ見ると、なんのこっちゃ解らない
「原発建設賛成が61%なのになんでこんな投票率低い(21.8%)の??」
とか
わけがわからないよ
(営業マンはお帰りください)
となってると思うんです。
さらっと解説すると
与党(欧州よりの中道右派)の言い分は
「ベレネに建設している野党が建設を決めた原発は、ロシア企業にお金が落ちて、建設費も当初計画よりかなり高騰しており、コストが高く付くから中止したい、エネルギーでロシア頼みは他の東欧の情勢を見ても危険。原発自体は国内企業に別の場所に作らせる、その方が国益になる」
野党(社会党等)の言い分
「この計画は既に国民の信を受けており、国民は原発計画に賛成しており、電力安定を望んでいる、計画はこのまま継続されるべき、建設一時停止に関してロシア企業からから多額の補償を既に要求されており(国際司法裁判所で1億ユーロの補償を既にロシア企業から提訴されている)これこそ無駄だ、ロシアとの関係も悪化する」
という話で
見出しに有るような「原発問う国民投票」ではそもそも無かったという情勢(その必要すらない・与野党ともに推進なんだから)
そして、こういう政治的な綱引きの結果
元々は
「ベレネ原発の建設に賛成か反対か」
という内容の国民投票から、前政権党の野党社会党が、国民投票について与党の合意が得れなかったため(ベレネの文言を削除しないと認めない)
投票内容から「ベレネ原発」を削除して
「新原発建設によって原子力エネルギーを発展させるべきかどうか」
という国民投票になって実施…
いきなりこんな内容にすり替えられて、投票しろって言われても(笑)
国民としては「ブルガリアの今の状況で原発は必要なのは当たり前だから、政治家がグダグダ言ってないで電力を早く安定させろ」
と呆れた結果、こんな低い投票率に
元々のベレネ原発の可否だったら、投票率はまだ高かったでしょうが、既に投票の意味が無くなっている。
こういう実情が、なぜか日本の報道には抜け落ちている
http://www.novinite.com/view_news.php?id=147119
http://www.world-nuclear-news.org/NP_Yes_vote_for_nuclear_2801131.html
(日本国内の原発の賛否と絡めて報道したいからでしょうけど)
「政府は、ベレネ原発の建設には総額約230億レバ(約1兆4400億円)の費用が必要と主張。付近で大地震が起きる可能性もあり、福島の事故後に安全評価もやり直した。」
のくだりは中道右派政府が
「ロシア企業にお金を落とすのが嫌でベレネ原発建設凍結を目指す」
ための後付の理由でしかありません。
まとめると
ブルガリアでは「原発が必要なのは当たり前」という国の状況で
与党は欧米寄り、ロシアと距離を置きたいから、ロシア企業主導の原発建設を凍結したい(国営企業で原発作るよ)
野党はロシア寄りで、元々自分たちの政権で決めた計画だから無論賛成、国民の早期の電力安定を望む声を追い風に、ロシア企業主導の原発建設を推進
とどの詰まり「何処の企業が作るか」で揉めてるだけ
東欧の情勢や近代史を読んでると、「日本の常識は通用しないな」とつくづく思います
ロシア「僕と契約して、原発つくろうよ」
魔女化しそうなんでお断りします!