美味しいスペイン赤ワイン「ヴィーニャ・サンガロン エル・ヴィノ・ブエン・アモール 2010」
白ワインを飲みたいと思って
選んでたと思ったら、結局赤ワインを
手に店を出る…みたいなコトが最近多いような。
白ワインが欲しい時に手に取ってしまうほどの
魅かれるものがあった赤ワインだから、
実は運命的出会いなのでは…と思ったり。
どんないきさつでも、自分のトコロに
巡ってきたワインなら、その貴重な香味を
楽しませてもらっちゃおっかなぁ~みたいな。
そして、そんなこんなで、可愛いデザインに釘付け、
さらにその内容を聞いて、迷わず、サクッと手に入れたワイン。
Vina Zangarron El Vino del Buen Amor 2010
ヴィーニャ・サンガロン エル・ヴィノ・デル・ブエン・アモール 2010
スペイン・カスティーリャ・イ・レオン州の
産地のひとつ、D.O.トロの生まれ。
ワイン醸造女子「マリア・アルフォンソ」さんが
全量ティンタ・デ・トロを使用して造ったワイン。
元々は、昔々にマリアさんの
お父さんであるアントニオさんが造ったこのワイン。
アントニオさんが中心になって
造ってた時には、可愛いハートの
ラベルではなく、もっとシブいデザインだったとの事。
その、昔ラベルを、今のようにしたのは
やはり「古臭い感じがしてイヤだった」から、と
マリアさんが胸の内を吐露。
ティンタ・デ・トロは
スペインで引っ張りだこのブドウ、
テンプラニーリョとおんなじ品種。
だけど、トロのアツアツの気候が
トロトロに熟したブドウを育てて、
アタカモ新しいブドウのように持ち味を変化。
220リットルのフレンチオークの小樽で
3ヶ月熟成しているとの事。
熟成樽の内、15%は新品。
無濾過・無清澄・無冷却酒石安定化。
ブドウ栽培から醸造まで一貫して
余計な人の手を加えない造り。
というのも、有機栽培の認定を受けて、
さらに、EUのオーガニック・ワイン法に沿った
ワイン造り…のワインだから。
黒い液体。
微妙に紫が見えるかも…
くらいのふか~い色合い。
赤い色をしたフチは狭くて、
かなり若い雰囲気。
ネリネリでややマットな印象は、
無濾過・無清澄のタマモノ。
ひと口めの最初から
ジューシー果実味全開の、
高濃度のワインならではの口当たり。
煮詰めてエキスを濃縮したような
ぷりぷりの、張り詰めた果実味。
口の中で重くて、どっしり。
口に含んでニヤッ…と、
笑ってしまうくらいの濃さと甘み。
コレこそホントの意味で「含み笑い」だなぁ、と。
やわらかい酸味が控えめにピリリ。
バランス良く…とはいかないけど、
ぷりぷりの旨みがやり過ぎ感を
出しすぎないように、ギリギリのトコロで
果実味を支えて引き立てる、
ちょっと控えめな酸味。
ザラつき、粗さ、全然なし。
見事にツルツル。滑るような舌触り。
渋味は、たっぷりトロ旨の
果実味と上手に溶け合った印象。
樽のちょっと焦げた感じと、微かな
ほろ苦味、甘みが混ざり合って、
分かりやすいココアの風味。
煮詰めた赤い果物の風味も。
昔よく食べた
センターフィリング的チョコレート
「LOOK」のいちごジャム味
みたいな感じもなんとなく。
ボディはまごうかたなき、フル。
アルコール14.95%だけど、
必要以上に強くなくて、スムーズ。
ボリューム特大。
飲み込む瞬間に、
むせ返るような花の香り。
コレまで飲んできたのって、
実は花のエキスを抽出した
液体だったのでは…というくらいに
鮮烈な、濃い色をした花の香り。
飲み落とした後には
花の香りはすっかり消えて、
口の中がひりひり。
アルコールの感じと、
香ばしさ、酸味の残る後味。
強い飲み口とはウラハラ気味な
意外とあっさりな感じのその後味。
ゆっくりと穏やかに鎮まって、
やさしく締めくくる、ステキな余韻。
サイゴの最後の一杯の
グラスの底には、ネリネリの
「オリ」がたっぷり。
あえて口の中へ…
…ジャリジャリのウス苦い味。
でも、このネリネリのオリのおかげで
ココまで美味しく飲ませてもらえたのね…と、
感謝のひと口。
「エル・ヴィノ・デル・ブエン・アモール」
「ステキな愛のワイン」
美しい(たぶん)マリアさんに
愛されて生まれたステキなトロトロ、
D.O.トロワイン。
ラベルに描かれた
真っ赤な、大きなハートの
イメージにぴったりな、
温かみのある飲み口。
肉付きがいいけど、
出るトコロは出て、
引っ込むトコロは引っ込んで、
メリハリボディの魅力的ティンタ・デ・トロ。
灼熱の太陽に育まれたワインには、
トロトロの果実味と、心地よいコゲ焦げの
エスプレッソ的風味いっぱい。
グラスを傾けるたびに
太陽のエキスみたいなものも
体に流れ込んでくるみたいで、
元気いっぱいな気分になれる、
そんな「ブエン・アモール」でした。
今日も美味しいワインに出会えました。
感謝。