変人 奇人 狂生の人  | そろって浄土に弥次喜多道中膝栗毛

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残り少ない人生、死ぬのは苦しいものか、どうも痴呆老人になって死んでいくようだ。お寺の坊さんに頼んでいるが。
残りの人生、東海道中膝栗毛の弥次喜多道中のように気楽に行けないものか。

変人 奇人 狂生の人 
 
岡本葦庵 今までに聞いたことのない人物 八丈島の近藤富蔵から連想して(前のプログから) 北の樺太千島に思いが飛び 探し求めた書物

「樺太・千島に夢をかける 岡本葦庵 の生涯」 林 啓介著 新人物往来社 
こんな日本人がいるものかと 面白き一冊

天保十(1839)年 徳島県生まれ 農家 幼児から読書好き 性格烈しく一途な男 「狂にして直ならず」 何の因果か 僻地の開拓などに関心

サガレイン 唐太 北蝦夷に熱中 妄想 文久三年蝦夷地 蝦夷縦断

「樺太・千島の開拓を叫びつづけ ほとんど独力で日本人として初めて樺太の北端ガオト岬に足跡をしるし、極寒の血を一周」 一農民が国の援助もなく独力で敢行 「大日本領土岡本文平」の板碑

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北の領土の開発 北方四島にとどまらず 樺太千島全域の開拓
日本人には見られないスケールの大きさ  日本人には 樺太はあまりの極寒 困苦欠乏の生活 

僻地という気候風土 距離の悪条件 生き難き地 「渓間ニ声ナク、四顧寂廖トシテ万象清絶ニ帰シ「日記」 ロシアの南下に焦慮する岡本

ひよりトンボの日本の為政者 三百年間の太平楽に溺れてきた日本 
幕末の国内の混乱 諸外国との交渉煩瑣 長い間樺太問題を等閑に付し、開拓を怠って幕府の北

方政策 遅らせばながらの樺太を含む蝦夷地の開発 樺太放棄論(千島樺太交換条約) 日本人民は蛆虫にも劣るの説の悲憤慷慨

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真の「北方の先駆者」 「北に冷淡、南に熱い日本人」とされる日本人の中で、「北の防人」たらんとしたその志は悲壮であった(p206)

樺太アイヌ 前人未到の樺太一周を敢行
間宮林蔵「北蝦夷図説」 松浦武四郎「蝦夷紀行」 最上徳内「蝦夷草子」 近藤重蔵「蝦夷地探検」など 著名な探検家

「北蝦夷新志」 岡本 文平著 北門社蔵版のほか  「窮北日誌」 「大日本中興先覚史」

明治三十七年十一月九日逝去 享年六十六歳 真の国粋主義者 現代の北方領土問題を考える時に 旧き岡本の足跡を辿って考えるとこと多し

写真を見るに 頑固 意志強固 口元固く古武士の如き風貌 現代の日本には既に存在しなくなった人物

         阿波人に相応しからぬ二人かな

              大塩中斎 岡本葦庵

                    三宅雪嶺

 
       図中の画像は 上記書物の挿絵などを参考に