風に波が立ち海が鳴る

その上を雲がすごい早さで流れて行く

水色の空を見せたり

重苦しい色の雲を集めたり

まぶしいくらいに光を射したり

頭上は忙しなく

ころころと表情を変えている



また光が射したよ



吹き溜まりの様に重く重なる憂うつも

どこかで今も降り積もっているやりきれない思いも

風に吹き飛んだらいいのにな


人懐っこい目をした鳥が頭上を飛ぶ

真っ白いお腹を見せて飛ぶ

羽根をなびかせ

風を使い

うんと側で飛ぶ

その姿は

何かを教えているようにいつも思う



風は容赦ない

だからけらけらと思わず笑う

笑ったらおもしろくなって

またけらけらと笑う



吹き飛んだみたいだ

先の解らない不安も

風に怖じ気付く弱さも

いつもの憂うつも



けらけらと笑って歩いて行く

それを見た誰かがけらけらと笑ってくれるといいな

まだいっぱい笑えるといいな