試験日 | オトコあさり

試験日

圭太からの手紙が届いた時、すごく驚きました。

何かあったのだろうか、別れ話だろうか、それとも他にもっと秘密があるのだろうか・・・


手紙なんかをわざわざ書いて郵送してくるのだから、

とにかく悪い話だろうと不安になっていました。



急いで封を開けて、とにかく焦って読みだしましたが、2行目辺りで悪い話ではなさそうだと感じ、

本当にホッ・・としたことを今でも鮮明に覚えています。



圭太の言いたかったことは、離婚もしないでズルズルしている今の状態をはっきりさせるから。

というようなものでした。




すぐにでも電話しようかと思いましたが、アタシも手紙を送ることにしました。





圭くんへ


お手紙ありがとう。

本当にビックリしたし、嬉しかった。


私も圭くんがいてくれて毎日が楽しいし、本当に幸せです。


手紙、何回も読み返しました。

圭くんの気持ちがすごく伝わってきて、私の事を考えていてくれることが素直に嬉しいです。


私ね、全ては時間が解決してくれるって思ってるの。

これは逃げじゃなくて、時間がいい方向に導いてくれると思ってるから。

だからあまり焦らないで。

いいタイミングが来るのを、待っていたっていいんじゃないかな。

で、そのタイミングが来た時には、しっかり二人で進みましょう。


もうすぐ試験だよね。

毎日すごく頑張ってるから、きっといい結果が出ると信じています。

いつも応援してるから、頑張って!


ラム





こんな内容でした。


少しカッコつけて手紙を書いてしまいましたので、これがアタシの本心だったのかと言われれば微妙ですが、

それほど急いで離婚して欲しいとは思っていませんでした。


ただ、圭太がアタシや本妻とのけじめを、

ズルズル放っているわけではないと思っていることがわかったでけでも、安心しました。






数週間後、10月の日曜日。

圭太の試験日がやってきました。


前日も圭太は

「今更勉強したって変わらないし、いつもどうりの問題数やったら終わるよ~」

と余裕でアタシと長電話していました。



夕方、圭太から電話がかかってきました。


「終わったよ~。学校で採点したら5問ミスだけで合格だぜ!」


「本当?!すごーーーい!」


圭太はすごくすごく嬉しそうでしたし、ずっと頑張っていた彼を見ていたアタシも飛び上がって喜びました。



「ラムのおかげもあるよね~。支えてくれたし。

早く会いたいな。来週まで長すぎるよ・・・」


「だよねぇ。でもケーチン仕事じゃん」


「試験終わったし、2日くらい休むつもり。お前こっち来いよ。

それから、合格したらハワイ行くから計画しよーぜ」



ハワイに行くと言われて驚きました。


ハワイ行く・・ってケイチンが?

計画ってことは、アタシも??



その日の晩、アタシはまた高速でO市に向かいました。