噂の人魚フェア~人魚特集リンク始めました!~
企画に今回参加させていただきました。
非常に読みずらくなっているかもしれませんがお付き合いください。
そして、素敵な蓮さんは、いらっしゃいませんのでご注意くださいね。
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深い深い海底にLME王国という人魚の王国がありました。 深い海底にあるのですが、その王国には太陽の光がユラユラと降り注ぎ周りには珊瑚や色とりどりの魚達が住み着きまるで海底の天国の様な場所でした。その王国は、ヒズリ王国とアカトキ皇国の間の海の底にあります。陸上との繋がりが殆んどない人魚達にとっては領土問題もなく平和に暮らしていました。
人魚には16歳まで陸上に上がる事を禁止する掟がありました。そして、その年に外海に出る事が許される人魚達の御披露目会が催されるのです。
その御披露目会に招待されている予定の人魚がいました。
食堂でクルクルと忙しそうに働く少女。栗色の長い髪を纏めて笑顔を振り撒くキョーコ。気立てがよく料理上手。密かに彼女に憧れる男の人魚達は数知れず。人魚は、16歳が成人とみなされそれまでは男女交際も禁止されています。彼女には、本当の両親がいません。食堂の夫妻が養父母となり愛情を注ぎ大人になりました。
養父母が営む食堂はとても古くキッチンの水回りなど水漏れし簡単な修理を繰り返していました。大好きな養父母のためにもお店をリフォームしたい。そして一生に一度の大切な御披露目会。彼女にはお金がありませんでした。まして、恩人でもある養父母にはいえません。
「何処かでもう1つアルバイトしないとね!やっぱり時給がいいのは陸上よね。」
すでに、16歳を迎えたキョーコには陸上に上がることも可能でした。
「おはよ。キョーコ、陸でなんか仕事できないわよ!」
大好きな親友の声にいち早く反応し笑顔で出迎える。
「きゃ~~!モ-子さん。私の事心配してくれてるのね!」
勢いよく親友に抱きつこうとして……避けられた。
親友のモ-子さん。長い黒髪の知的美女本名は、カナエ。今日もキョーコ特製ダイエットランチを食べに来た生粋ねダイエットマニアでした。
「キョーコ。あんた、自分が人魚だって事忘れてるでしょ?人間に捕まったら見せ物にされるか、切り刻まれて食べられるわよ!!」
馬鹿な子ほど可愛いと手にかかる妹の様なキョーコ。無鉄砲なところがあり何を仕出かすかわからないところもあり心配でした。
人魚だって、お金を稼がなければ生きていけません。まして、お店のリフォーム代金と御披露目会のアクセサリーを買うお金なのです。女の子の憧れの舞台。張り切らないはずがありません。
キョーコは、LME王国を出ました。ここは、深い海底。魚達にあいさつをしながら上へ上へと泳いでいきます。キラキラ太陽の光が海水の流れに揺れなが降り注ぎまるでスポットライトを浴びている様でした。
《ふふ♪水の妖精さんが沢山回りで遊んで居るみたい!》
水の妖精と戯れる妄想にトキメキながらキョーコは、遂に初めて海の上に顔をだしました。
まずは、陸を目指さなければなりません。幸いにもうっすら陸が見えています。
《ここから一番近い陸上は、ヒズリ王国だったはずよね。》
キョーコは、人気のない岩場まで泳ぎ着くと周りをキョロキョロ見渡し誰も他人がいない事を確認したあと岩場に腰を掛けました。
初めての陸上の感覚。とても不思議でした。栗色の長い髪に爽やかな風があたります。尾びれで海面をバシャバシャと水飛沫を跳ねさせご機嫌です。
《すごい!これが陸上なんだ。風の匂いも違う》
キョーコは、嬉しくなって歌を歌い始めました。
人魚の唄は、とても清らかなで人を魅了していまうと伝承されていましたが、そんなことキョーコは知りません。ご機嫌で、歌を歌い続けているいるとき小石がパラパラと崩れる音にビックと辺りをみわたしました。そしてさらにビックリ!人間が自分を見ているのに気づきました。
《綺麗な男の人。漆黒の髪と瞳なんて初めてのみたわ》
蓮の容姿に思わず見とれるキョーコ。しかしすぐに脳裏に大好きなモ-子さんの声が響きます。
『人間に捕まったら見せ物にされるか、切り刻まれて食べられるわよ!』
自分が仕事を探しに来たことも忘れてキョーコは、海の中に飛び込みLME王国へ帰ってしまいました。
これが人魚のキョーコと久遠王子が初めての出会いでした。