ムーブメント仕上げ作業① | 『時計の学校』ブログ

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専門学校ヒコ・みづのジュエリーカレッジ
ウォッチコースの講師が綴る、学校の日常です。



3年生の授業では、時間をかけて丁寧にムーブメントの仕上げ作業を行っています。



使用するのは、入学時からずっと練習で使っているスイス製ポケットウォッチのムーブメント「ETA6497」。

時計を分解して、「受け」と呼ばれる真鍮でできたプレートにヤスリなどで面取りしていきます。

受けの形をどのようにデザインするのかを考えるのも重要!


プレートの仕上げ後は、歯車にも加工を施します。写真は旋盤とハンドリューターを使って、角穴車という部品にサンバーストと呼ばれる模様をつける作業。



完成すると、このように綺麗な模様をつけることができます。

これは、スイスやドイツの高級時計にも使われる独特な仕上げ方法です。


続いて、ムーブメント内にある、ルビーが入る傾斜部分を磨く作業。

研磨剤をつけた木の棒をプーリーに固定し、弓の力で高速回転させ、

そこに磨く部分を押しつけて研磨をしていきます。



作業後は、非常に綺麗な鏡面仕上げに!

同じムーブメントを使用していても、仕上げの違いで時計の価値が大きく変わっていくのが機械式時計なんです。


初めて行う作業なので苦戦していますが、自分の時計が美しくなるのを実感でき、とても楽しそうでした!


次回のブログでは、学生が完成させた時計を紹介したいと思います。


お楽しみに!