ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)/梅田 望夫
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2007年の本なので、情報社会論としては古いかな、と思ったら、

ぜんぜんそんなことはなかった。

概論、総論として、「フューチャリスト宣言」と「ウェブ進化論」と

どれが一番梅田著書として適切か考えたけれど、「ウェブ進化論」は

より衝撃的だが、グーグル論に傾いているのに対して、こちらは

ネットの集合知をどうしたら自分の知的生活と結びつけられるか、

という知の方法論なので、こっち。


読み直していたら、五章に「なぜネットでは「好きなことへの没頭」が

続けられるのか」というセクションがあって、まさに今考えていた

こととリンクして面白い。


―引用開始


しかしリアル世界の有限性を超え「不特定多数無限大」と対峙できる

ネット空間があらわれ、関心を同じくする真の仲間を発見することが

できるようになった。その喜びこそが、オープンソースの不思議を解く

鍵である。志向性を同じくするゆえにお互いを深く理解する「同好の士」

たちによって自らの達成が承認・賞賛されることは、私たちの人生に

訪れる最も重要な喜びの一つに違いない。ネットで「好きなことへの

没頭」が続けられる理由はここにある。


―引用終了


さておき、短いエッセイスタイルで進む形式も、「好き」がウェブ社会

読み解きのキーワードになっているところも、よい。

ウェブ論としてだけでなく、そうした情報社会の中で、「いかに働き、

いかに学び」(副題ですね)、いかに生きるかを、具体的な方法論、

方策を示しながら語った一冊。