さて、シンイファン向けの本でどれがよろしいかと選んでいて気づいたのですが、純粋にシンイファン向けの本と、どちらかと言えばシンイ二次書きさん向けの資料としての本とありますね。今回は書く資料で重宝した本です。

図説 ソウルの歴史-----漢城・京城・ソウル 都市と建築の六〇〇年 (ふくろうの本/世界の歴史)/河出書房新社

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高麗の首都開京についての本ではなく、朝鮮王朝の首都漢城(ソウル)の王宮、建築物や街並についての図説です。漢城・京城・ソウルと時代を分けて国都がどのような意図のもとに設計されたのか、どういった機能を持っていたのか、建造物の歴的背景(冊封とは何なのかとか)はどうなのか、実際の絵・地図・写真をたくさんまじえて書かれているので、開京を想像するのに、とてもお役立ちでした。

韓ドラ区分で言ったら、あきらかに宮ファン向けな感じもしますが、十分シンイ二次書きにもおすすめ。なぜって高麗の王宮含め建築物で現存するものがほぼない=資料があまりない、なので、開京の街並や皇宮の描写をするのに、すっごい困ったから…。
(もしいいのがあったらぜひ教えて~)
ドラマ内で出てくる場所のみが舞台の話はなんとかなるし、なんとなーくこうふわっと書けるものはね、書いちゃうんですが、だめこれ構造を想像できないと話が書けない行き詰まった(゚д゚lll)ってなったときに、たとえ別の都でも同じ韓国内だし、江戸をモデルにするよか近いだろう(おおざっぱ…)、って感じで助けていただきました。あはは。

颶風の開京の城壁の参考にしたページ


金銀花で円丘壇の参考にしたページ(韓国の王がもともとどのような神的立場役割を担っていて、それがどのように中国に禁じられていたか、というような話も、コンミン王のお立場を想像するのにとても役立ちました)


都の絵図とかも、あーこんくらいの広さなわけね、と写真集開城の中にある地図とかと比べながら見ると、参考になります。

京城やソウルになってからの部分は単に興味深い程度ですが、漢城は開京から遷都された次の国都ですから、だいぶ参考になります。仏教国家から儒教国家へと変わっているので、そこらへんは加味して参考にしないといけないですけどね。
きっと朝鮮王朝が出てくるドラマファン(ギュンサンくんが今出てるドラマ「六龍が飛ぶ」とかね)なら、さらにもっと楽しめる本かもです。
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…………ええ、このシリーズまだ続けるんです。

ぎゃー、二年…ぶり…。
いや二年ごとに一冊紹介したって、あと十年で10冊に到達できるし!
(いいかげん反省しろ)

おふざけはここまでとし、ここから真面目に。

不調というか、この本はつらいことがあったときに、自分を勇気づけたいときに読みます。何度読み直したでしょうか。もう、私がここに書く必要もないくらい有名な本ですが、でもやっぱり書こうと思います。

夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録/みすず書房

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夜と霧 新版/みすず書房

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精神科医フランクルが書いた、強制収容所でのユダヤ人たちの絶望と、その中でいかにして希望をつないだかの記録です。
前半の解説(新版では削られているようです)や、本文の多くはとても残酷で悲しい事実で満ちています。ただし、フランクルの描写は冷静で、その事実がどのような心の動きによってなされたのか、知的な分析によって書かれているので、必要以上にグロテスクには書かれていません。
そのまさに夜と霧におおわれた世界の中に、時折まばゆいばかりに光る人間の姿が記されています。

私が心を奮い立たせたいときに読むのは、いつも第八章「絶望との戦い」です。
収容所で、次々と犠牲者が出て、それを追うように自分でも死を選ぶ人もいて、そういった自己崩壊をどうしたら防ぐことができるのか、フランクルが仲間に向かって話すことを求められたときにした話です。
少し長くなりますが、こちらに載せておこうと思います。あと、うちにあるのは旧訳版なので、ちょっと文字使いとかは古く文も固いですが、素晴らしい訳文でもあります。新訳版は読みやすい文体になっているらしいです。



―引用開始―

同時に私は彼等に、それだからといって落胆し、希望を捨てる必要は決してないということも語った。何故ならば如何なる人間も未来を知らないし、如何なる人間も次の瞬間には何が起きるのか知らないからである、と言った。(中略)しかし未来とその予測しがたさ、及び現在の苦悩について語ったばかりでなく、また過去についても語り、――現在の闇の中に射し込んでくるそのすべての光と喜びについて語った。私は――自分の言葉で説教臭くならないように―詩人の言葉を引用した。その詩人は次のようにうたっていた……「汝の体験せしことをこの世の如何なる力も奪い得ず。」……われわれが過去の豊かな体験の中で実現化したものは、何ものも、また何人も、われわれから取ることはできないのである。さらにまたわれわれが体験したものばかりでなく、われわれの為したこと、われわれの悩んだものも永久に現在の中に組み入れられているのである。そしてそれがたとえ「過去」であろうとも…まさにその過去であることの故にそれは永久に確保されているのである。すなわち過ぎ去って「いる」ということもなお一種の「いる」(存在)なのであり、またそれどころか最も確実な存在なのである。

 それから私は終わりになお、生命を意味で満たす多様な可能性について語った。私は私の仲間達に(彼等は全く静かにそこに横たわり殆ど動かなかった。せいぜい時折心を動かされた溜息が聞こえるだけだった。)人間の生命は常に如何なる事情の下でも意味をもつこと、そしてこの存在の無限の意味はまた苦悩と死をも含むものであることについて語った。そして私は真っ暗なバラックの中で注意深く聞いている哀れな人々に、われわれの状態の重大さを直視し、かつそれにも拘わらず諦めないことを望み、われわれの戦いの見込みのないことは戦いの意味や尊厳を少しも傷つけるものでないことを意識するように懇願した。私は彼等に云った。この困難な時と、また近づきつつある最期の時にわれわれ各自を誰かが求めるまなざしで見下しているのだ……一人の友、一人の妻、一人の生者、一人の死者、……そして一つの神が。そしてその者はわれわれが彼を失望せしめないことを期待し、またわれわれが哀れに苦しまないで誇らしげに苦しみ死ぬことを知っているのを期待しているのだ。

 そして最後に私はわれわれの犠牲について語った、すなわちそれがどちらにせよ意味をもっていることを語った。この世では一見何の成果も得られないかのように見えるということは……たとえ政治的理念による自己犠牲であれ、また他者のための自己犠牲であれ……犠牲の本質に属していることであるが、しかし犠牲は意味をもつものだと語った。そして宗教的な意味で信仰をもっている人はそのことをよく知っていると語った。そしてその収容所に入れられた最初に、いわば天と一つの契約を結んだある仲間の話をした。すなわち彼は天に、彼の苦悩と死が、その代わりに彼の愛する人間から苦痛に満ちた死を取り去ってくれるようにと願ったのである。この人間にとって苦悩と死は無意味なのではなく……犠牲として……最も強い意味にみちていたのである。意味なくしては彼は苦しもうと欲しなかった。同様に意味なくしてわれわれは苦しもうとは欲しないのである。この究極の意味をこの収容所バラックの生活に与え、また今の見込みない状況に与えることが、私の語ろうと努めたことであった。

 この努力がその目的に達したことを私はまもなく体験した。まもなく電灯がわれわれのバラックの梁にともった。そして私は目に涙をためて自分に……感謝をいうために……よろめき近寄ってくる仲間のみずぼらしい姿を見たのである。……しかし私がこの晩のように、私の苦しみの仲間とこれほど内的な接触をするために、勇気を奮い起す内的な力をもてたのは稀であり、私自身が今までにそういうことのできる多くの機会を利用しなかったことを、ここに私は告白しなければならない。

―引用終了―



私は彼らのような信仰を持っていないので、全部が理解できるわけではないのです。
でもいつも食い入るように読んでしまいます。

「なぜ自分だけがこんな辛い目に」

という自己憐憫からどうしても逃げ出せないときに、この本が助けてくれました。
尊い本です。

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長らくこのブログも放置でしたが、懲りずにちょっとずつまた増やそう。
一年一記事だって100年書けば100記事だし(え?)

せっかくなので、シンイ関係がいいかなと見てたら、この写真集、掲示板のやりとりなどではたぶん何度か言及してるけどこちらでは書いてなかった。

シンイファン必読の写真集。

開城―高麗・千年の都/梨の木舎

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開城の遺跡、もう基礎や石垣しか残っておらず、草はらの中にいくつか石が残っている、といった風景写真ですが、ここらへんに〇〇殿があったとか、解説をみると、何とはなしに皇宮の様子が目に浮かびます。ドラマでも言及のあった瞻星台(チョムソンデ=天文台)や、別ドラマになりますが成均館の建物とか、街並とか、イメージをかきたてられる写真やら文言やら地図やらがあちらこちらに。

私も、二次を書くにあたって、この写真集にはかなーりお世話になっております!
二次ブログを立ち上げたあたりでは、図書館で絶えずこの写真集に予約が入ってて、あー、シンイ人気あるんだな~、と思ったり。

二次書き資料には、一番おすすめかもしれません。
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風の万里 黎明の空(上) 十二国記 (新潮文庫)/小野 不由美

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風の万里 黎明の空(下) 十二国記 (新潮文庫)/小野 不由美

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あれ、表紙が変わってる。私が持っているのは古いバージョンの表紙でした。
新しいのもいいですね!
これ、間違えちゃいけないのは、十二国記でも、「風の万里、黎明の空」と「図南の翼」以外は不調のときは読んじゃだめ。むしろ下がる場合もありますので(笑)
「風の海 迷宮の岸」も黒麒がゴウランを折伏するあたりや、王を選ぶあたりはすごくすっきりするんだけど、ラストの方がどうも不穏で、上がりきらないかな。

このどっちを上げようか迷って、風の万里に。なぜかっていうと、映画で言うとラスト15分の部分に、水戸黄門なら「このもんどころが目に入らぬか」、金田一少年なら「謎は、すべて、とけた」、仲間由紀恵なら「すべてぜんぶまるっとお見通しだ!」な場面があるから。
その前後の慶王の戦闘シーンもずっと俺のターンな展開もいい。
ちょっと厨二な感じなんだけど、それがね、すごく気持ちいいんです(笑)
勧善懲悪ではないので、単純すぎてものたりない…というのもなく。

めでたし、めでたし!
でいい気分で夢の世界へ。

シンイで高麗のことを調べるうちに、十二国が宗、元、高麗などの歴史をモデルに登場人物を構想していることが、わかってきました。中国や朝鮮の国制度をモデルに構築された世界だというのは知っていたけど、事件なども類似点がある。
十二国記の研究本とかないのかな? きっとすごく面白い。
小野不由美さんって取材して書く人なんだろうとは思ってたけど、思っていたより深く絡めてある。そういう意味で、再発見もあった一冊でした。