私は阪神大震災の被災者で、生後6カ月の赤ちゃんと共に家族で被災しました。
何が起こっているのかは全くわからなかったし、とにかく赤ちゃんを抱きしめてじっとただ耐えていた様な気がします。
生きてきて初めて感じた恐怖でした。
たまたま珍しく、地震の30分前に娘が泣き出したので、ベビーベットから私たちのベットに寝かせたところでした。
泣いてくれたおかげで、熟睡していなかったのもあり、少しですが身構える事が出来たのかもしれません。
まだ暗い時間だったので、まわりがどうなっているのかわからなかったのですが、娘を抱きしめリビングに這いつくばって行きました。
幸い電気がついたので、つけてみると…
主人の背中にはすごく重たいタンスが倒れていました。
ベビーベットの上にもタンスが…
泣かなかったら…と思うと、悍ましくて考えられないです。
避難生活はとてつもなく辛く厳しく、想像を絶する精神状態だと思います。
特に高齢者の方、赤ちゃん、障害をお持ちの方、どうかまわりの方々の思いやりや助け合いの温かい心の手が差し伸べられる事を祈ります。
私たちは、赤ちゃんを連れて食べるものも、ミルクのお湯もなく途方に暮れていた時、実家への移動中に立ち寄ったお店の方々が、神戸ナンバーをみてすぐに、お湯をご用意しましょうか、離乳食は大丈夫ですか、とお声をかけて頂いたことは、一生忘れることはありません。
月並な言葉になるのは嫌なので…
ただただ祈ります。