小規模多機能型居宅介護におけるケアマネジメントの視点


                         




アセスメントまでの違いは大して無かったのですが

プランニングに来て、大きな違いが現れます。

少し大袈裟に書かれている節も無きにしも非ずですが

実際の居宅介護支援のプランニングにおいては、

「課題の解決」のためのプランニングが主となっています。




4)プランニング(変化する様態とニーズの変化に応えるために)
~小規模多機能型居宅介護のケアプランはライフサポートプラン~
従来、アセスメントで得られた情報から本人のできないことを課題と捉え、課題を克服するための必要な計画を『ケアプラン』と呼んできました。

しかし、現在の『ケアプラン』では、本人の言葉を使っていたとしても本人主体の暮らしが表現されるものにはなかなかなっていません。

本人がどのように暮らしたいのかというよりもむしろ、支援者側がどうしたいか、どう暮らさせたいかという提供者主体のプランになりがちです。

ケアプランで必要なことは、本人が今を、今からをどのように生きたいのか、暮らしたいのかを知り、「自己決定」に基づいた「ライフサポート(生活支援)プラン」を作ることです。

たとえば、お彼岸には墓参りに行き、十五夜にはお団子をつくり、月見をする。

暦(こよみ)とともに生きる人としての生活文化を、介護が必要になっても継続することです。

生きている実感を味わうことのできる、当たり前のくらしを取り戻すことです。

このような地域での暮らしは、他者からの支援だけでは実現しません。

誰かから与えられるものではなく、本人のエンパワメント能力を引き出し、事業者も、地域も、家族も一緒になって、協働で作っていくものです。

従来のADL や医療モデルを基にした支え方だけではなく、生活モデルを重視した支え方が必要です。

これまでのケアマネジメントでは、狭義の介護をどうするかが主になり、本人がどう暮らしたいのかという本人の意向が軽視され、本人は支援される側にのみ位置づけられていたといえます。

本人や家族も一緒に暮らしを創る考え方が乏しかったように思います。

また、プランも介護支援専門員が月に1 回定期的に計画するものでは、その時その時の変化する様態やニーズに応え、臨機応変なプランにはなっていません。
そこで、日々のミーティングと適切なカンファレンスの開催が必要となります。
ここではミーティングとカンファレンスの言葉と内容の整理を下記の様にしています。
・ミーティング…日々の打ち合わせ。職員のみの場合が多い・カンファレンス…本人、家族、専門職、地域住民等参加によるものミーティングでは、日々の必要な支援について打ち合わせし、また緊急の場合等必要に応じた対応や方針を決めます。今必要な支援が提供されます。
カンファレンスでは、本人の生活全般が話し合われます。

参加者は本人・家族・地域・スタッフ等、本人に関係性のある人が参加し、本人の望む暮らしをいかに実現していくか話し合います。

いわば、カンファレンスは自己実現の方法を考えるための企画会議ともいえます。

自己実現へ向けて、どのような内容を話し合うのか、メンバーは誰が必要なのかなどを検討します。

単に人数が多ければ良いというわけではありませんし、多職種だからよいというわけでもありません。

実現に向けて必要な人が集まって考えられればいいのです。

大切なことは、情報を共有し、共通の目標、視点、言語を持つことです。





居宅サービス、特に訪問介護などでは基準上出来ないとされている

「特別な行事のための調理」とか、「墓参りへの外出介助」とかも

小規模多機能型居宅介護では

「たとえば、お彼岸には墓参りに行き、十五夜にはお団子をつくり、月見をする。

暦(こよみ)とともに生きる人としての生活文化を、介護が必要になっても継続することです。」

と、あるように、今までの生活を、そのまま続けられるようにするには

どのような支援が必要かという視点でプランニングをしていきます。





全国小規模多機能型居宅介護事業者連絡会HPより一部引用