73城目  No.10山形城(2009年9月20日登城) | 城めぐりん

73城目  No.10山形城(2009年9月20日登城)

 延文元年(1356)、奥州探題斯波家兼の子・兼頼が羽州探題として山形に入り、山形城を創築したといわれる。のちに斯波氏は最上氏と称し出羽地域に勢力を広げ、11代義光は文禄・慶長年間(1592~1615)にかけて、本格的に城郭の整備拡張を行い、現在見られる城の原形を造ったといわれる。

 義光は戦国大名としての領国支配を確立し、関ヶ原の戦いのときには東軍につき、上杉氏を押さえた功によって、山形藩57万石の初代藩主となる。

 しかしながら、元和8年(1622)、最上氏は一族の内紛により改易となり、鳥居忠政が入封し、新たに城郭の整備を行った。鳥居氏2代の後、寛永13年(1636)に保科正之が入封。その後は、松平氏、松平(奥平)氏、奥平氏、堀田氏、松平(大給)氏、秋元氏など親藩・譜代大名が入封・転封を繰り返し、弘化2年(1845)に水野氏が5万石で入って明治を迎えた。

 明治の廃城後、建築物はすべて撤去され、本丸堀も埋められてしまった。現在、城址は霞城公園となっており、二の丸東大手門や本丸一文字門石垣・大手橋が復元されている。


 仙台からJR仙山線の普通列車に乗り山形駅到着。駅東口から線路に沿って北の方へしばらく歩くと、線路の向こうに復元された二の丸東大手門が見えてくる。


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 東大手橋のところまで歩いていくが、中へ入る前に、右の方へ進み、まずは最上義光歴史館へ入館し展示を見学する。無料ながら、なかなか充実した展示である。

 歴史館を出てから東大手橋を渡って入城する。


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 二の丸東大手門は、櫓門、多聞櫓、高麗門、土塀を備えた二の丸の正門。史実に従い、日本古来の建築様式により平成3年(1991)に木造で復元された。

 東大手橋の上から櫓門、続櫓を見る。


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 北櫓と二の丸堀。


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 高麗門をくぐって枡形の中へ入る。


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 枡形の中から見た櫓門。木造本瓦葺き、入母屋造りの矩折一重櫓で続櫓を接続する。


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 櫓門をくぐって二の丸跡へ入る。二の丸跡内側から見た櫓門。


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 門を入って右の方へ回り込み、石段を上ると櫓門への入口があるので中へ入る。内部には、発掘調査の模様や復元プロセスを示すパネルなどが展示されている。床には石落しが口を開いている。


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 櫓門の外へ出る。東大手門広場の真ん中には最上義光騎馬像が建つ。慶長5年(1600)の長谷堂合戦で陣頭に立つ勇姿をモチーフに再現された山形鋳物の彫刻。


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 左手に本丸堀を見ながら、本丸跡と山形市野球場の間の道を西の方へ歩いていく。


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 野外音楽堂のところを右に曲がって進んでいったところが二の丸北不明門跡。


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 北不明門跡で折り返し、南の方へ歩き、野外音楽堂の先を右に曲がって進んでいったところが二の丸西不明門跡。2基の櫓台と整然とした枡形が残る。


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 二の丸西不明門跡から東の方へ戻り、山形県体育館の北側を歩いていくと、復元された本丸跡の石垣が見える。


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 復元された本丸一文字門石垣と大手橋。本丸の建物は、明治初期に取り壊され、堀も歩兵連隊の兵舎を造るために埋められたという。平成16年(2004)に本丸一文字門の石垣が、平成18年(2006)に大手橋が復元された。


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 今後も本丸堀、土塁の復元が進められ、その後、本丸一文字門枡形部の高麗門や土塀の復元も予定されているとのことである。


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 大手橋を渡る。


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 本丸一文字門櫓の復元については、国の史跡に指定されていることから、古写真や建物の実測図などの歴史的資料の裏付けが必要であり、市ではそれに関わる資料について、市民の協力を求めているとのことである。


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 この後、二の丸跡に建つ山形県立博物館と山形市郷土館を見学。山形市郷土館の建物は、明治11年(1878)に県立病院「済生館」として建築された西洋造三層楼の擬洋風建築で、昭和44年(1969)にこの場所に移築されたという。


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 最後は、二の丸南大手門跡から外へ出る。


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 最上義光は、斯波兼頼が建てた南門を萬松寺に寄進し、石垣に改築したという。今も枡形を構えた石垣が残る。


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 南大手門跡を出て、この日宿泊の駅前のホテルまで歩いて向かう。



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