那智勝浦町(なちかつうらちょう)は、和歌山県東牟婁郡の町です。
ユネスコ世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の熊野エリアにあたっており、
紀伊半島でも有数の観光地として多くの観光客が訪れます。
那智勝浦町の東側は海に接しており、その海岸線は典型的なリアス式海岸に
よって構成されています。そのため入りくみが激しく、また気候が黒潮の影響で
温暖なので、町内には天然の良港がいくつか存在します。
なお、訪れた3ヵ月後の2011年9月3日~4日に、紀伊半島を直撃した台風12号の
集中豪雨のため、那智勝浦町は甚大な被害が出ました。
今回は、奈良県五條市から国道168号を南下し、十津川村を経由する
ルートを選びました。
風屋ダムは、前日から降り続いた雨のため、増水した貯水池から
激しく放流されていました。
轟音が響き渡り、とても迫力のある光景でした。
県境、七色地区の国道168号線沿いに、十二滝と称する滝があります。
ハイカーやドライバーが、しばしの憩いを求めるのに格好の場となっています。
一枚の写真に収まらなかったので、上下二枚を繋げてみました。
前日の雨の影響で激しく流れ落ちていました。
県道44号に進みます。
雨露に濡れた細い道をゆっくりと走ります。
路面は濡れた落ち葉でいっぱいです。スリップしないよう注意が必要です。
崖は一面苔むす緑です。
熊野古道を紹介する雑誌に出てきそうな風景です。
紀伊山地の尾根から立ち上った雲海。
神秘的な光景です。
小口川に沿って細い道を只管走ると、開けた平地と赤い屋根の校舎が
眼下に見えました。
ここは、那智勝浦町西部の籠という小さな集落です。(住所は、田垣内(たがいと)です。)
沿道は、那智街道と呼ばれ、かつて多くの人々がこの集落を経由して那智山を目指したそうです。
宿屋や商店も並んで活気があったそうですが、現在は観光客も滅多に来ない淋しい集落です。
閉校後は、「籠ふるさと塾」という山村体験、定住支援施設となっておりました。
那智勝浦町の山間部の色川地区にあります。
瓦屋根にオレンジ色の壁の平屋建て木造校舎です。
壁は良く見ると、塗料が剥げており老朽化は避けられない状態です。
山に囲まれた盆地にあり、自然一杯に溢れる場所です。
色川地区は住民の3分の1が新規定住者だそそうです。
きっと、素晴らしい自然に惹かれたのでしょう。
小学校からほどなく青い壁の木造校舎が見えてきました。
手前のピンクの壁の建物は体育館と思われます。
校舎の向こうに茶畑が広がっておりますが、
「色川茶」と呼ばれ、熊野詣で盛んなりし頃からの伝統を
受け継ぎ熊野名産となっております。
暖かな気候風土がはぐくんだ円やかな風味は人気が高く、
本州で最も速く摘まれる緑茶として知られております。
遠方から見た色川集落
那智勝浦町山間部の南平野地区にあります。
雑草や潅木に覆われ、朽ち果てていく途上の木造校舎です。
避難場所として指定されておりますが、校庭はともかく、校舎は危険で
いつ崩壊するかもしれません。
石段を登った玄関の傍に、ブロックを重ね合わせた、
校歌を刻んだ碑がありましたが、
文字が消えており判読できませんでした。
わずかに残った文字、「木々の」「ふか」は、現在の校舎の状況とも
符号するものでした。
那智山付近から熊野灘を臨む。
山間部を下りて海岸に出て、国道42号を南下した二河地区にあります。
訪れた当時は、すでに閉校になり、校庭は半分くらいアスファルトで固められて
おりました。
校舎は、白壁の鉄筋校舎です。
校舎の前から太平洋に注ぐ川が流れていました。