奈良県南端の十津川村から北山川、熊野川を隔てて
和歌山県、三重県が隣接しており、付近は美しい渓谷美で有名な瀞峡(どろきょう)が
あります。
一帯は県境が入組んでおり判りづらい地域であり、北山村という和歌山県の飛び地もあります。
今回は、奈良県十津川村、和歌山県新宮市熊野川町、和歌山県田辺市本宮町、
三重県熊野市紀和町の数校を訪れました。
熊野川町(くまのがわちょう)は和歌山県東牟婁郡にあった町です。
2005年10月1日に市町村合併により新宮市の一部となりました。
新宮市(しんぐうし)は、和歌山県の南部、熊野川の河口に位置する都市です。
熊野川の河口の西側に位置し、熊野三山の1つである熊野速玉大社の門前町として盛えてきました。
また、熊野本宮大社への入口として、熊野川の舟運を利用した木材の集散地でもありました。
現在でも、熊野地方(旧牟婁郡)の中心的な都市の1つです。
紀和町(きわちょう)は、三重県南部の南牟婁郡にあった町です。
2005年11月1日に熊野市との新設合併により、新しい熊野市となりました。
本宮町(ほんぐうちょう)は、和歌山県南部の町です。
2005年(平成17年)5月1日の市町村合併で、田辺市など4市町村と合併し、
新市制の田辺市の一部となりました。
国道425号別れ
国道168号を南下し、十津川村役場を過ぎて2kmほどで
国道425号との分岐点にぶつかります。
訪れた日は、石楠花まつりの最終日だったようですが、
まつりは時間が無く見ることができませんでした。
葛川集落を目指し、425号へ左折しました。
不動滝
国道425号へ進んで、程なく右手に不動滝が見えてきます。
この滝はこの地名の「高滝」とも呼ばれスケールの大きい滝です。
国道425号から外れ大峰山脈へ入った小さな集落です。
山肌に民家がへばり付くように集まっています。
集落の急な坂道には、石楠花が彩りを添えていました。
山肌の集落を登っていくと、木造校舎が当時のまま残っておりました。
雑草の蔓延る校庭では、二人の少年が野球をして遊んでおりました。
孤立した集落にあるためか、暗い雰囲気の漂う校舎です。
1991年度の在校生徒は僅か8名でした。
なぜなら、切り立った崖とガードレールの無い曲がりくねった道程だからです。
山間部の廃校巡りで各地を走りましたが、これほど緊張した道はありません。
現在は補修されているかもしれませんが。
国道169号とぶつかりました。
十津川村竹筒地区を目指し、右折します。
かつては、山から切り出した材木を筏で運搬した川を
ウォータジェット船が水しぶきを上げて走っていきました。
竹筒(たけとう)小学校(1971年休校)
竹筒地区は、奈良県十津川村の南端に突き出た地区で、
和歌山県、三重県と隣接しております。
北山川が悠然と流れる傍らに、平屋建ての木造校舎がありました。
中庭には、ボートが数艘並んで置かれておりました。
北山川と深い関わりの中で、地元の暮らしがあったことが偲ばれます。
竹筒から熊野川町へ入ると和歌山県新宮市です。
国道沿いに平屋の倉庫っぽい建物が右手に見えました。
地元の方に確認し、九重小学校であることが判りました。
熊野川沿いは、過疎化の激しい地域で廃校休校が多い地域です。
1991年度の在校生徒は僅か8名でした。
国道168号を熊野川に沿って新宮市内へ向う途中、
対岸にメルヘンチックなピンクの美しい木造校舎が見えます。
(奥の黒い木造校舎は上川中学校です。)
対岸は、熊野市紀和町になりますが、すぐに渡ることができません。
一旦通過してから、三和大橋を渡り引き戻すことになります。
近付いてみると、かなり老朽化しており、遠目で見たほうが絵になることが
判りました。
付近は、人家もなく、鬱蒼と茂る山の木々に覆われ寂しい場所でした。
1991年度の在校生徒は、僅か9名でした。
上川小学校から石段を登っていくと、さらに老朽化した木造校舎があります。
石段を登った手前の小屋のような建物は、教員用の家屋だったものでしょうか。
新宮市内へは道一本でいける距離(約30分)でありながら、想像以上に過疎化に
なったのは、主産業である林業の衰退によるもとと思われます。
1991年度の在校生徒は、僅か8名でした。
国道168号から県道44号に入り、赤木地区にあります。
現在は、改築され集会所として使用されているようです。
校庭は狭いのですが、綺麗に手入れされた芝生でブランコと鉄棒が
心地良さそうに並んでいました。
新宮市北部の敷屋地区にあります。
田園の広がる中に赤い瓦の美しい木造校舎が見えました。
廃校後は、パン工房として利用されています。
1991年度の在校生徒は、僅か8名でした。
新宮市北端の篠尾地区にあります。
民間に払い下げられ改修されたようです。
地元の民家と判別しにくいのですが、正面玄関や窓枠が学校らしさを
残しておりました。
新宮市から田辺市に入り、十津川村へ向う途中、
熊野古道で有名な水呑王子付近にあります。
閉校後、40年経過しておりますが、熊野古道のルートにあるためか
人々の往来もあり孤立した感じはありません。
植栽も手入れがなされており、品格さえ漂う美しい木造校舎です。
田辺市から十津川村へ入る国道168号は山の中腹を走る
見晴らしの良い快適な道程です。
虹は見えませんが、気分は七色のように晴れやかな気分になれます。
この後、国道を北上し、五條経由し帰阪しました。
当時は、原付バイクで走行しておりましたが、一日400km以上走っていたので
少々疲れました。