十津川村(とつかわむら)は奈良県の最南端に位置する村です。
「とつかわ」と濁らずに読みます。
国内最大面積の村として知られております。
奈良県の面積の5分の1を占め、96%が山林です。
山間の農耕に適さぬ地形のため、古来免租の集落としてその時々の権力者の
支配を受けずに半ば独立した村落共同体として存在し続けました。
周囲とは隔絶した地域であったため独特の文化・気風があり、十津川郷士を輩出しました。
2011年9月3日、台風12号による集中豪雨により、野尻地区をはじめ広範囲で土砂崩れおよび
河川の氾濫が発生し甚大な被害を受けました。
(訪れたのは、台風の4ヶ月前です。)
龍神村(りゅうじんむら)は、かつて和歌山県日高郡に存在した村です。
同県の中央東部に位置し、龍神温泉の村として知られています。
2005年5月1日に田辺市、中辺路町、本宮町、大塔村と合併し、
新・田辺市になりました。
和歌山県の中央東部に位置し、村の約70%を標高500m以上の山岳が占め、
日高川が村内の主要な地区を流れています。
十津川街道
奈良県五條市から国道168号を南下していきます。
大塔町宇井地区を過ぎると十津川村です。
山の谷間の僅かな平地に集落が点在しております。
この辺りは度々の水害に見舞われた地域です。
昭和29年に村人たちの寄付によって架けられました。
川からの高さ54mあり、風に揺れるので向う岸に
谷瀬の吊橋からほどなく、岸辺に校舎がありました。
中学校と併設されております。
小学校は鉄筋3階建てで、中学校は2階建てモルタル校舎です。
中学校校舎正面に八重桜が満開に咲き誇っておりましたが、
利用されなくなったお立ち台やベンチがそのまま置かれておりました。
国道168号を川津地区から県道733号に入り、
神納川に沿って奥に進んだ五百瀬集落にあります。
道程は人家もありませんが、校舎は田園の広がる山間部にしては
開けた場所にあります。
この地で終焉を迎えた平惟盛の墓もあります。
校章は菱形に五を入れたマークです。
菱形に十を入れた十津川村旗と異なり独自の文化を持った地域のように
感じました。
神納川(かんのがわ)は十津川の支流河川ですが、地域ぐるみで都市部の人々を
受け入れ、農村の生活を体験し定住できるよう活動をしているようです。
「かんのがわHappyBridgeProject」とは、その活動の総称だそうです。
トタン屋根の校舎は当時のままですが、現在は整骨院として使用されておりました。
川津小学校(1964年閉校)
県道733号と国道168号の交差する地区が川津です。
偶然に小学校跡の記念碑を発見し校舎を撮りました。
鉄筋2階建ての重厚な校舎です。
半世紀以上前に閉校となった校舎にしては、しっかりした造りです。
荒廃した様子は感じられませんでした。。
風屋ダムによって堰き止められた貯水池は、
水流の動きも無くゆったりとした佇まいです。
風屋ダムからほどなく十津川の辺にあります。
ベランダ付きの立派な校舎ですが、不思議なことに
周囲には人家が一軒も無い淋しい場所です。
校庭の端に3本の背の高い木が、じっと校舎を見守っている
ように感じました。
瓦屋根の純和風のとても美しい木造校舎です。
歳月の重みと風格を感じました。
十津川村役場から、小高い山へ狭い道を登った場所にあります。
今は、「十津川村教育資料館」として使用されております。
十津川村役場を過ぎてから、十津川温泉までは国道168号と国道425号の
重複区間となりますが、その中間点の折立地区にあります。
沿道に案内が出ているので容易に判ります。
つい最近まで、現役の中学校でありかつ木造校舎である貴重なものであったの
ですが、過疎化のため、村で唯一の中学校である、十津川中学校への統合に
伴い閉校となりました。残念です。
折立中学校体育館の裏にプレハブの建物がありました。
表札に「平谷小学校」とありましたが、地元の方に尋ねると
十津川温泉付近に校舎は残っているが、耐震問題のため
この仮設校舎が生徒達の学び舎となっているとのことです。
訪れた当時は、プレハブでしたが現在は新築されたのかもしれません。
※仮設校舎から閉校となった折立中学校校舎を引き継いで利用していましたが、
2017年3月十津川第二小学校への統合に伴い閉校となりました。
十津川温泉の手前にある鉄筋校舎です。
見た感じでは、堅固に思えたのですが、もう使用されることはないでしょう。
2012年度の在校生徒9名の小規模校です。
十津川温泉から国道425号を龍神村方面に進んだ山間部にあります。
十津川の支流である西川が辺を流れ、せせらぎが耳に心地よい長閑な場所です。
※2017年3月十津川第二小学校への統合に伴い閉校となりました。
十津川村で和歌山県境に最も近く山奥にある学校です。
人家の無い九十九折の国道425号を只管走り、県境の集落に辿り着くには
根気と最深の注意が必要です。
校舎は、意外にも、高原ロッジのようなモダンな建物でした。
1991年度の在校生徒は僅か9名でした。
県境の集落の風景
牛廻越は、奈良県十津川村と和歌山県龍神村の県境にある峠です。
近畿では暗峠、百井別れと並ぶ酷道名所となっています。
沿道には、落石や転落注意の看板がものものしく掲げられております。
実際に、道幅も狭くガードレールも無い場所もあるので注意が必要です。
峠の名前の由来は、牛の背に米や味噌を積んでこの道を運んだが峠にかかる頃には
道は険しく人の背に荷物を移し、牛を廻した(帰した)ことから牛廻しの名がついたと、
地元では言われています。
大熊小学校(2002年閉校)
県境を越えると和歌山県龍神村です。
龍神温泉から国道371号を北上し大熊地区にあります。
山間部の小さな集落にあり、現在は郵便局として使用されております。
県境を南北に縦断する快適な道路は、1,000m級の山々が聳え
深呼吸をしたくなるような素晴らしいパノラマが広がります。
2003年に無料化されて原付バイクも通行可能となりました。
カーブが多くスピードの出し過ぎには注意が必要です。