こんにちわ。浅間です。
突然ですが、
よく聞かれる質問のトップはコレです。
『どうしたら演技が上手くなりますか?』
そんな質問してるから、
駄目なんだよと言いたいところですが、
ここはまず真剣に考えていきましょう😉
この質問をされた時に、
僕はいつも、
すかさず聞き返しています。
『演技が上手いってどういうこと?』
そうすると、
不思議なことに、
みんなうまく答えられません。
これはちょっと危険な状態です。
だって、
「自分は◯◯という状態になりたい」
と言っているのに、
「◯◯という状態がよく分からない」
わけです。
アメリカに行きたいのに、
アメリカがどこにあるのか分からないし、
そもそもアメリカって何?
美味しいの?
みたいな状態です。
まぁ、
アメリカだったら、
国として定義されているわけだから、
調べれば場所や成り立ちとして理解できます。
ところが、
『演技』というものは、
多くの人たちの誤解と曖昧なイメージによって、
何が何だか分からない得体の知れないモノになっています。
大きな声が出せること?
リアルな嘘のつけること?
身体が柔らかい?
滑舌が良いこと?
反射神経が抜群なこと?
どれも合ってそうで、
なんか違うような、
もどかしい感じですね…!
そこで、
僕はよく、
このような話をしています。
『演技が上手い・出来る』
というのは、
『仕事が出来る』
ということに通ずるものがある。
どんな業種にも、
仕事が出来る人と出来ない人がいる。
しかし、
飲食店での仕事が出来る人、
工場での仕事が出来る人、
人事部での仕事が出来る人、
経営幹部での仕事が出来る人、
それらは取り組んでいる仕事内容はまったく違うはずだ。
もしも、
仕事が出来るようになりたい、
と思ったならば、
まずどうするだろうか?
それはまず、
その現場で働き、
何度も何度も体験し、
時には失敗を繰り返しながら、
改善をしていくしかない。
準備や予習は大事だけれども、
現場に行く前に、
必要以上にあれこれ考えても、
机上の空論でしかない。
もしかしたら、
予想とは違うことを求められるかもしれない。
そう、
つまり現場に行ってみなければ、
わからないのだ…!
そして、
現場の数だけ『出来る基準』がある。
どんなに場数を積んだ役者でも、
次の現場で求められることが必ず出来るとは限らない。
たとえ同じ様式・ジャンルであってもだ。
つまり、
上手いかどうかなんて、
結果論であって、
日頃からひたすら準備せねばならないのだ…。
では、
どんな準備・訓練をすれば良いか…
素を鍛える
のだ。
素(す)……地のまま。手を加えていない本質。
である。
ありのままの状態。
気持ちも高まってもおらず、
沈んでおらず、
真剣でもなく、
不真面目でもなく、
見栄も張らず、
遠慮もせず、
良くも悪くも、
マイペースで平常心な状態である。
その状態で、
あなたは何が出来るだろうか?
話すこと、
聞くこと、
書くこと、
読むこと、
感じること、
考えること、
それらはどれくらい深く出来るだろうか?
自分の知らないことは考えられないだろうし、
自分が今まで行ったことのない場所へはスムーズに行けないだろう。
自分が苦手だと思う人に話すことは面倒かもしれないし、
自分が動かしていない身体の箇所を動かすことは難しい。
人それぞれ、
苦手なことや不得意なことがある。
人によっては簡単に出来ることが、
自分にはなかなか出来なかったりする。
出来なくても良いよ。
と言われてずっと出来ないこともあるだろう。
嫌いな人とは付き合わなくていいよ。
と言われて付き合わない人もいるだろう。
考えなくてもいいよ。
と言われて考えるのをやめる人もいるだろう。
それは自由だ。
大いに自分の信念に従ってくれたまえ。
けど、
もし、
あなたが自分自身を成長させたいと思うのであれば、
出来ないことをひとつ見つけて、
出来るようにしてみようじゃないか。
嫌かもしれない。
辛いかもしれない。
精神崩壊してしまうかもしれない。
筋肉痛になってしまうかもしれない。
しかしながら、
その先には、
違う自分がいる。
常に新しい習慣を身につけ、
臨機応変な思考、
柔軟な肉体、
伸縮自在な心と声、
探究と挑戦と継続を繰り返すことで、
ありのままのあなたは鍛え上げられていく。
『自分とは違う人間になりたいんです』
といって俳優を志す者は多い。
しかしながら、
それは生半可なモノではないのだ。
さあ、
素を鍛えよう。
長くなってしまったけれど、
今日はこのへんで。
生きてまた会おう。