こんばんは
加藤です。

1月25日からアメリカのアリゾナフェニックスに来ています

今回はアナトミートレインの著者であるトムマイヤー氏主催の解剖クラスに参加しています。

参加者は日本人のみで完全通訳つきです。
英語が話せない私も安心して学べます。

解剖クラスは5日間。

今回の献体はホルマリン処理をされておらず、冷凍保存されています。

冷凍保存からの解剖ができるところは世界でもこのラボだけのようです。

私は学生時代に大学病院で解剖実習が3日程ありましたが、勿論ホルマリン処理された献体で解剖も実質1日半位だったと思います。

冷凍保存された御献体を私達が一から解剖をする意義。
単に体の構造を学ぶだけでなく、人体の全体性を学び体に関わる仕事にたいする自分なりの哲学を構築する手助け、きっかけにもなります。

トーマスマイヤーがクラスで、この方法は解剖400年の歴史でもっとも初期に近いやり方です。

とお話ししてくれました。

また、ミケランジェロ、レオナルド・ダ・ビンチも同じようにメスひとつでご遺体を切り分けて人体の不思議を探求したんですよ。

と話してくれました。

つまり解剖の歴史のスタートを自ら体験できるということです。



私が始めて解剖を経験したのはまだお尻の青い学生時代でしたので解剖実習というだけで本当の必要性も感じておらず、ただ授業の一環として流していたように思います。

それから15年以上経ち臨床の現場も経験し、それなりの経験はしてきました。

今だからこそ人体を改めて確認したいこともありますし、確認しないと前に進めないような感じもあったので解剖クラスに参加しました。

人が産まれて、やがて確実に死んでいく。

人間は致死率100%です。

どんなにお金持ちでも、どんなに友達がたくさんいて助けてくれる人がいてもなくなります。

人が死ぬとどうなるのか。
死んだ状態とは何なのか。
ご遺体に触れてそこから自分は何を感じるのか。

これは実際に体験しないと答えはでないてすね。

死はほとんど私達の生活から切り離されていて、隠されている部分でもあります。

健康に携わるお仕事をしている以上いつかは「生とは」「死とは」と漠然とながら考える時が来ると思います。

その問いかけに真摯に向き合うことで人生の羅針盤も進むべき方角を指し示してくれると思います。

今回のアリゾナ解剖クラスは私にとっての人生羅針盤となりました。

なぜこの志事をしているのか?
志事から何を得たいのか?
志事とどう向き合いたいのかと向き合っていくのか?
そもそも志事とは何なのか?

アリゾナのホテルで深夜そんなことを考えていました。

人体の勉強のための解剖もありますが
人とは何なのか?
死とは何なのか?
いつかは死ぬ自分がなぜ技をみがき続けるのか?

自分なりの哲学を持つ年頃のようです。