こんにちは、ひどうです。
せっかくのお祭りなので、蓮の誕生日にUPしたくて、もうひとつ小さいのを書いてみました。
普段はこんな感じのものは書きません。というか書けません。

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このまま…


真夜中すぎ、俺はふと目が覚めた。
薄暗い部屋の中、視界を覆う柔らかな栗色の髪。
腕の中で無防備に寝息をたてている彼女。
この腕の中に今彼女がいる。
彼女の頭の下にある俺の腕は、ほんのわずかだがしびれている。
だけどそれも幸せの重みに変わる。
空調が効いているこの部屋、寒さなど感じない。
でも、今この温もりは離したくない。

俺は彼女を抱く腕に力をこめた。
息苦しさに彼女が身じろぎする。
その小さく吐いた息ですら愛しい。
俺よりも小さな彼女の体。
少し力を入れたら壊れそうなほど。
彼女のすべてを俺の手の中に留めておきたい。

今こうして生きている自分。
あの過去があったからこそ、俺は彼女に出会うことが出来た。
それは奇跡。
俺はそう思っている。
幼い頃に手渡した、たった一つの小さな碧い石。
泣き虫だった君の涙がひとつでも減るように。
それが俺たちを再びの出会いへと結びつけてくれた。
今はまだ何も話せないけど、いつか話せるときがきたら。
その時は聞いてくれる?

朝が来れば君はこの腕の中からするりと抜け出してしまう。
このまま朝なんて来なくていいのに。
一分一秒でも長くこの腕の中に君を抱きとめておけるのなら。
俺はこのまま闇の世界だけで生きていてもいい。
でも君にはそんな世界は似合わない。
眩しい光に包まれた世界に帰してあげなければ。

だから、もう少しこのままで、この腕の中にいてーーーー。


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ということで、《Present for…》の続編というかおまけです。
我ながらくっさい話になったな…。
まぁ、当分こんなのは書けないから、いっか。