夫の自転車&日本酒呑み仲間でもあり、
ワタクシの栃木探訪ブログを昔から読んで下さっているHさん。

栃木県内の造り酒屋(廃業してしまったところを含む)を
全軒自転車で回ったことがあるという強者です。
(ちなみにブログ もやられています)

その方とだいぶ前に呑みの席でご一緒させていただいた時、


「そういえば、ひばらさん。『アユのくされ寿し』は食べたことありますか?」


と問われました。
聞いたことも、食べたこともなかったワタクシ。

「上河内の梵天祭の時しか食べることができない郷土料理ですよ。
是非一度食べてみるといい!」と言われたのをずっと覚えておりました。


“くされ寿し”(なれ寿司)というと一番有名なのは
滋賀県の郷土料理「鮒(ふな)寿司」ですが、
まさか栃木県でもくされ寿しが作られていたとは・・知りませんでした。

そもそも栃木県の郷土料理というと、まず思い浮かべるのが「しもつかれ」。
こちらは数年前、日光市で毎年行われている
「全日本しもつかれコンテスト」でたくさん食べてきましたが、
(参照:第363回 全日本しもつかれコンテストルポ の巻

アユのくされ寿しはなかなか食べる機会がないまま、時は流れ・・
今回やっと食べることができました。


ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 アユのくされ寿し

梵天祭当日、宇都宮市の上河内地区へ。


このお祭り自体は2年前、レポしたので今回は割愛させていただきます。

ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 梵天まつり ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 梵天まつり
(参照:第507回 梵天まつり見に行ってみた の巻


ちなみにこの時は、くされ寿しの存在は知っていたものの
見つけることができなかったんですよね~・・。

どうやら祭りの参道などで売ってはいないとのこと。

ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 梵天まつり ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 梵天まつり

ゆずは大量に売っていたんですけどね。



ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 アユのくされ寿し


今回は、新聞で「アユのくされ寿し 試食&販売」の文字を見つけ
目的はただ一つ、くされ寿しを食べること!に絞り、梵天の湯へ。


ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 アユのくされ寿し

梵天の湯の前にある梵天。
梵天祭では、この梵天をたくさんの男たちが担いで、羽黒山に登ります。


ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 アユのくされ寿し

梵天祭名物の「ゆず」が直売所で大量に売られていました。
玄関前ではそのゆずを使った梵天祭限定のうどんも売っていたり、
甘酒などを配っていました。

でもくされ寿しがない・・あれ~?


聞くと、中で販売中とのこと!

ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 アユのくされ寿し

旧上河内町のマスコット、柚のユッピーがおでむかえ。



ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 アユのくされ寿し


あった!

これが長年求めていた幻の郷土料理「アユのくされ寿し」だ!!


店員さんが「ご試食どうぞ~」と早速勧めてくれました。


「クセがあるんでね~、どうしても。食べられる人はね~おいしいけど、
ダメな人はダメだからね~・・」と。

まあ、そうですよね。くされ寿しですからね・・。


ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 アユのくされ寿し

さっそく試食をいただいてみる。


くされ寿し(発酵している)と聞いていたので、
臭いを気にしていましたが、この距離ではまだ大丈夫(笑)

・・というか、臭ってみても、臭いは全然問題ない感じでした。
あまり思ったより臭みはない?


パクっと一口。


・・あ~~~・・←素の感想


まず感じた味は大根の味でした。
聞くと、大根の千切りが入っているそうです。
なんだかシャキシャキしていました。

そして冷たい。まあ寿司飯ですからね。

なんだか思ったよりも食べやすい味でした。
まあ、発酵臭はありましたけど・・青カビチーズとかよりは全然食べられる。

もっと強烈なものかと思っていただけに、ちょっと拍子抜け。




ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 アユのくされ寿し

せっかくなので、桶の中も撮らせていただきました。

アユがもっと上に並んでいるのかと思いきや、
細かく切られて、ごはんとよく混ざっていました。

レシピを聞いたのですが、販売されていた方が調理人ではなかったので、
この日は分からず・・後日調べてみました。

ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 アユのくされ寿し


「日本の郷土料理3 関東」(昭和61年 ぎょうせい発行)によりますと

アユは、はらわたをとり、塩をふって三か月ほど漬けこむ。

かために炊いたご飯にかるく塩をふり、
せん切りにしたダイコンとぶつ切りにした塩漬けのアユをまぜあわせる。

すし飯は、すし桶にいれ、そのうえに、姿のままの塩漬けアユをのせ、重しをする。

五日から七日たったら、桶をさかさにして、
さらに半日ほどおいて水分を出すとできあがる。



だそうです。



宇都宮市のホームページ によりますと、

清流・鬼怒川が流れる上河内地域の郷土料理として、
「鮎のくされずし(鮎ずし)」があります。「くされずし」は「なれずし」の一種で、
本来、魚を貯蔵する ために考案されたものであるようです。

現在では、上河内地域にある羽黒山神社の11月の祭事である「梵天祭り」の時期に、
旬の素材「鮎」を使用し、行事食 として、また各家庭でのふるさとの味として、
守り継がれた季節限定の食事であります。

とのこと。


鬼怒川と隣接する上河内地区で、旬の時期に採れたおいしいアユを、
秋のお祭りで食べられるようにしようと考案された家庭料理のようですね。

だいぶピンポイントで伝わる郷土料理のようですが、
上河内地区の方で、誰かご家庭で「毎年作って食べてますよ」という方は
おられるんでしょうか?(聞いたことないけど)





ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 アユのくされ寿し

家族にも食べてもらおうとおみやげに1パックを購入。




ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 アユのくされ寿し

こんな感じです。



ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 アユのくされ寿し


食べてみると分かりますが、
けっこうご飯が固め・・というか生米が半分混ざっている感じでした。



ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 アユのくされ寿し


アユはぶつ切りということで、けっこう固い身が入っていました。
骨とかもそのまんまなので、太い骨は食べられません。

あんまりアユ独特の味がしないかも。



家では、いや~~不評でした(笑)


まあでも、食べてみる価値はありますぞ!





○梵天祭 毎年11/23
http://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/kanko/kankou/spot/kamikawachi/011466.html



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