ドンファン(豊丸) | 懐かしのぱちんこ名機列伝

ドンファン(豊丸)

■大当り確率153分の1


スピード感と連荘性(自力)でマイナージャンルだった電役機が一時的に脚光を浴びた事が

ありました。


デジパチに比べ権利物・電役機が一般受けしなかったのは「正しい手順」で玉を入賞させないと

大当りの権利が簡単に消滅してしまう為、特に初心者層に受け入れられなかったのです。


権利物の場合、権利発生用の役物が改良された事によってデジパチ感覚で打てるようになり

ましたね。電役機も同様に「打ちっぱなし」で大当たりが消化できるように工夫が凝らされて

ようやくその方向性がはっきりしてきました。


そして欠点が改良された事により、従来のメリットが強調される結果となりデジパチとは違った

魅力が発揮され両ジャンル共、安定した人気(特に常連さん)でシェアを伸ばす事になります。


権利物の場合、通常時のベースの低さと現金機で唯一認められていた合法的確率変動機能

によって非常にバラエティ溢れるゲーム性が生み出されたわけですが、電役機の場合はどう

だったでしょうか・・・・??最大の魅力は何と言っても



破格のスピード感


があげられると思います。演出がデジパチ化してしまうと時間当りの回転数もそれに近いもの

となってしまいます。打ち出しのペースは変らないわけですから、「回る台=止め打ち」というの

が必須となります。(大雑把な計算ですが、現在のデジパチで1K25回転回る台を打った場合、

時間当り20分は玉を打っていない事になります)



回る台を打っていながら、玉を増やす為には打ってはいけない。この相反する矛盾がデジパチの

最大の欠点でもあるわけです。


電役機はそのマイナー故にデジパチに比べ規制が非常に甘く(基本的に内規というものは、登場

した機種の動向を伺いながら随時追加されていくものですから・・・)


新要件電役機の初期に登場したこの台は、大当り確率もさる事ながら通常時の止め打ちがほとん

ど必要ないという特殊なシステムが採用されていました。


デジタルのメモリーはデジパチ同様4個しかないのですが、保留が満タンになった瞬間にデジタル

が即停止して次の回転に移行するという、超デジ短機能が搭載されていた為です。


数年前に平和からブラボーファイブ というスキップ機能搭載機が登場しましたが、この台はそれを

機械が自動でやってくれるという感じですね。


連動用の電チューも盤面中央の両サイドに配置され、右打ちの必要もなく大当り消化中もコンスタ

ントにデジタルが回転する為、元々の確率が甘い事もあり自力による連荘も期待できるようになって

います。連荘は連動用メモリーの消化分のみ追加されるわけですが、この台の場合、初当りの入賞

個数は3個(メモリーは4個)を基本としていますので、即連した為に折角の連荘が丸々無駄になると

言う事がありませんでした。


又初当り時に電チューカウントのタイムラグを利用して左右両方へ同時入賞させる事ができれば、

最初からいきなりフルメモリーで連動を開始させる事も可能となっています(意図的に狙えませんし

成功率は釘次第ですが・・・)


普通に当っても1700個位の出玉があり、それでもって大当り確率が153分の1なんですから、

現在の甘デジとかが束になってかかってきても敵ではありませんねw



と言ってもこれはあくまで回ればという条件付きなわけでして、この甘いスペックには当然の事なが

ら裏もあります。


デジタル用のスタートはスルーチャッカーになっているわけですから、当然の事ながら通常時の

払い出しはほぼ0です。デジ短機能により、止め打ちはほとんど必要ありません。


従ってパチンコの限界でもある1分間100個の打ち出しが常時行なわれている事になります。

その為折角の大当り出玉も大体20分弱でなくなってしまうんですよねぇ・・・


破格のスピード感もボーダーを下回っている台を打った場合、凄まじい勢いで負債を増やすと

いう危険性を持ち合わせていたわけです。


しかしながら、この台が登場した事によって電役機はゲーム性の改善が進み、その特性を活かし

ながら遊べるジャンルとして独自の地位を確立していく事となりました。

このゲーム性は、現在の規定では「射幸心を煽る」という理由で認可はおりませんが、意図的な

連荘もない非常に効率の良いスペックの一体どこが問題なのかと・・・?