協会には週に何度となく同じような質問メールが届く。
’ハラールレストランを教えてください。’
’ハラールレストランのリストがあったら下さい’

ところが協会ではこれまでこの情報を持ち合わせていない。

リストがあったら、いくらでもあげたい。
でもリストをつくるということは、協会が全国のハラールレストランを把握していなければできない。把握するというのは所在地はもちろん、何をだしているのか、どういう店なのか、店主はムスリムなのか、ハラール肉はどこから仕入れているのか、アルコールはおいているのか。などなど。そして、ハラール性と食品安全性の確認。店主がムスリムであれば恐らくハラール性は問題ない。あとは、衛生面や安全性。保健所がするようなチェックに近いことをする、それプラス、ハラール性のチェック。
これを我々だけでするのは費用も時間も掛かる。

だから、依頼のあったところしかできないが、それでは到底間に合わない。

ネットで検索したら、誰かが作ったリストもいくつもヒットする。
でも、何故それでも協会に問い合わせてくるのか。

それ以上の信頼性を求めているからではないだろうか?

そんな質問者の方々に、ネットで検索してみてください、とは。。言えない。

最近は、世間ではハラール、ハラールと相当騒がれている。

多くはノンムスリムが、ハラール産業はビジネス性があるからと、認証機関を起こしたり、ろくに確認もなしで、豚を横で調理しながらハラールレストランだの、そんな情報が増加してきているのが事実。

私は自分が食べるときは、せめて必要最低限のハラール性は守る。だけどそれを客人に振る舞ったり、家族に食べさせるときはそれ以上にできるだけのハラール性を確認する。それを公の場で情報公開するのであれば、なおの事。ハラール認証の話ではない。これはおもてなしとして自分の提供する物が何かを知っておくことは最低限のマナーである。

ところが一部のムスリムの中には’ハラール’は論議の対象である、とか’新しく入信した人がそれを聞いてイスラムから遠のいていく’などという話しがある。まるで腫れ物に触るようなセンシティブな話題のように取り扱われる。私にはこれが全く理解できない。気にしない人は気にしなくていい、でも良いものがはっきり良いものだとわかればそれに超した事はないはずだ。論議はしたい人がすればいいが、ハラール認証というのはハラールのガイドラインであって、ムスリムが食べる物をハラールだとゆってノンムスリムが作る時に、何をもってそれがハラールであると証明できるのか。ムスリムが作るものであればそれは問題ない、だけど信仰のない人が宗教上の戒律を完全に把握してハラール製品を作るのは簡単ではない。それをどの位置づけをもってハラールと言い切れるのか。。。今回の募集とはあまり関係ない話だけど。

さらに、マレーシアのハラール基準は行き過ぎだ、という声もよく聞くようになった。確かに。元々の戒律よりも必要以上の決まり事を作ったのがこのハラール基準だけど、食品関係の職業に就いている人ならよくごぞんじだと思うが、豚が入っていない食品を見つける方が難しい、この世の中。まさか???という食品にまで入っている可能性があったりする。
普通のムスリムが普通に生活していたら恐らく気づかないだろう食品に入っている。それを先に見つけたムスリムがそれを排除してどのムスリムが食べても大丈夫なように作り替えれば良くないか? しかも、製品に’ハラール’と書いてあって、人目で安心して食べれる事が分かった方がよくないか?それともそんな危なっかしい生活をずっと続けたいか?自分の子供達が知らずに食べてても、センシティブな事なので放っておく、と言えるのか?私は親としてそれはできない。親の責任として、それを子供から排除してやりたい。

最近国内にはノンムスリムやムスリムでも認証業をビジネス的に扱う個人や安易にとらえ’ハラール’という言葉だけで商売が成り立つような仕組みを作っている人も存在する。

決定的に我々の仕事とそれらが違うところがある。我々の仕事は決してお金儲けのためではない。それに、’ハラールは今が旬’的ないわゆる流行でやっているわけではない。
お金儲けをしようと思ったらできると思う、でもうちの協会は理事らがサダカ(喜捨)をして運営していたり、膨大な時間を無償で費やしている。うちの理事らはそれぞれの企業の経営者という立場もあり、時間に限りがある人々だがそれでも精一杯、この機関の運営に務めている。何故それができるか?ムスリムならできることなら誰でもそうしたいと思うだろう。アッラーの為のほかにない。今自分たちがしないといけない使命を全うしようとしているだけ。
国内に今までなかったハラールの基盤を作り、誰でも取り扱うことができるようにガイドラインを固め、誰でもできないように認証を確実なものにする。それによって、先の世代のムスリムがもっと安心したムスリム生活ができる。

そのための一歩を踏み出そうとしているのが、この今回の募集。(えらい話がとんでしもたけども。。ぼー
詳しくはここで見てね。↓
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&feature=player_detailpage&hl=ja&v=-CRv7ZXY-eY