前回に引き続き今回も,スクウェア?エニックスより本日(3月26日)発売されたシネマゲーム「007/慰めの報酬」をピックアップ! とくに今回は,リリースに至るまでの背景などを掘り下げていく。  本作の開発元であるTreyarchは,“西海岸のゲーム業界まんが道コンビ”ことPeter Akemann氏とDon Likeness氏という,友人でありビジネスパートナーでもある二人が,1996年に創立した会社。Activisionに買収される2001年まで,同社はElectronic Artsのタイトルを中心に開発していた。  なんでもActivisionは,TreyarchがDreamcast向けに開発したコミック版「Spider-Man」の完成度を評価し,傘下に収めることを決めたのだという。  以降,コミック版だけでなく映画版「Spider-Man」シリーズのゲーム化を手掛けたり,スティーヴン?スピルバーグ監督のSF映画「マイノリティ?リポート」を「Minority Report Everybody Runs」というタイトルでゲーム化したり(トム?クルーズ氏が肖像権の使用を認めなかったため,主役のジョン?アンダートンは映画とまるで別人になっている)と,いくつものシネマゲームを手掛けてきた。  2006年5月,Activisionは映画会社MGMの子会社で,arado rmt,デジタルコンテンツ管理を行っているMGM Interactive,そして007シリーズの映画全般を制作しているロンドンのEON Productionsから,2014年まで有効な007シリーズのゲーム化権を独占的に取得した。  実はActivisionは,以前から007シリーズのゲーム化に意欲を持っていたようだが,Electronic Artsがジェームズ?ボンド役の前任であるピアース?ブロスナン氏の肖像権と,007のゲーム化権を2011年頃までの契約で握っていたため,DarkBlood RMT,手を出せないでいたのだ(1980年代から現在に至るまで,007ゲームの総売り上げは3000万本を超えているとか。Activisionが魅力を感じていたのも,うなずける話だ)。  しかし,映画「007 カジノ?ロワイヤル」(2006年公開)が,ボンドが007になるまでの若い時代を描く内容になるため,ボンド役の俳優も若返らせる必要が生じ,ピアース?ブロスナン氏は降板。Electronic Artsも契約を解消した(違約金の額が気になるところだ)
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