日本初のサッカー専門学校「JAPANサッカーカレッジ」スタッフに聞く学校の存在意義と今後の展望 | HFレビスタ 北信越サッカー応援ブログ

日本初のサッカー専門学校「JAPANサッカーカレッジ」スタッフに聞く学校の存在意義と今後の展望

7月20日、私達はかねてより取材を依頼した「JAPANサッカーカレッジ」を訪れた。今回は中村副校長(以下、中村氏)と宮本教務部長(以下、宮本氏)に貴重なお時間をいただき、学校のこと、学生に求めていること、地域との関わり、今後の日本サッカーについてお話を伺った。

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- 本日はよろしくお願いします。

両者:こちらこそよろしくお願いします。

- まず初めに学校を創設した理由を教えてください

中村氏:この学校は2002年の日韓共催ワールドカップの年に設立されました。アルビレックス新潟の池田取締役会長のサッカーを文化として根付かせたいという強い想いがあってできたと聞いています。また、アルビレックス新潟のホームタウンである聖籠町はサッカーの学校のことも良いイメージを持ってもらっていることも大きいと思います。

- 創立してから来年で10年になります。この10年間を振り返ってもらうと同時に、今後の10年の展望をお聞かせください。

宮本氏:一言で言えば、この10年間はチャレンジの10年だったと思います。サッカー界に人材を送ることや、Jリーグの理念に基づいて地域貢献を進めてきましたが、やっと私たち独自の形になり始めてきたと感じています。今後はワンランク上のステージを目指したいと思います。トップチームがJFLに昇格を目指したり、女子サッカーの発展に貢献したり、より良い人材の育成に取り組みたいです。特にこれからはシンガポールを含めたアジア圏、更には世界に視点を置いて活動したいですね。もちろん地域貢献も引き続き行っていかなければならないと思っています。

中村氏:地域密着は今後も続けて行きたいと思ってます。またJFL昇格や女子のチャレンジリーグ参入に向けて、今後はクラブ的要素を強くして行きたいと考えています。そして地域に還元できたらと思っています。つまり聖籠町、新発田市など下越地区と共に歩んで行きたいと思っています。


- JFL昇格の話がありましたが、更に上のカテゴリーであるJリーグ参入、そしてプロ化などは考えていますか?

中村氏:正直プロでやるには障害が多すぎてしまう。私たちはアマチュアでできることを考えるべきだと思います。

宮本氏:何を定義として、「プロ」なのかを考えるべきだと思います。設備なのか、クラブの組織なのか、所属しているリーグなのか。私たちスタッフは今でも「プロフェッショナル」ということを意識して、活動していると自負しています。


- わかりました。それでは今学生に求めていることは何ですか?

宮本氏:”チャレンジ精神”、そして”夢”を持ち続けてほしいです。サッカーを生きがいとしないとこの業界はやっていけないと思います。

- 最近は私達も含めた若者が安全パイな生き方を選んでいる人が多いと思いますが、その点についてはどのように考えていますか?

宮本氏:確かにそうですね。最近では留学する人も少なくなっているらしいです。学生には自分のやりたいことをやってもらいたいと思います。更に言えば、いかなる場合においても、自分は何ができるのかを常に考えていなければならないと思います。そういう気持ちが大事だと思います。

- はい、ありがとうございます。では次の質問です。お二方共今後も地域貢献をしていきたいとおっしゃっていましたが、具体的にどのようなことをする必要があると思いますか?

中村氏:サッカーを通して街づくりに貢献できればと考えています。コミュニティの場を提供することによって、現在欠けている社会性の部分を補完できればいいと思っています。そしてここで経験したことを卒業したそれぞれの場所でも実行してもらえると嬉しいですね。

宮本氏:サッカーと関係の無いことをどれだけやるかがサッカー文化を地域に根付かせる近道だと私は考えています。現在サッカーに興味をもっていない人を取り組むことが50年、100年先を見越したときに必要になってくると思います。

中村氏:そういえば今やってる放課後学習クラブ、あれはとてもいいことだと思います。更に来週の水曜日(7月27日)には選手達が網代浜の清掃活動に参加するみたいですし。こういった活動が増えるといいですね。そのためには企画する側と参加してもらう側とでコミュニケーションをとらないといけないですね。できればスタッフなど大人の力を借りずに、学生たちが主体となって取り組んでほしいです。


- それでは最後に、先日なでしこJAPANが世界一に輝きました。男子も世界一を成し遂げるには何をする必要があるとお考えですか?

中村氏:個人的な意見ですけど、グラスルーツ(底辺)の部分の普及をもっとするべきだと思います。サッカー文化を根付かせるなら尚更です。サッカーが愛されるスポーツになればと思います。

宮本氏:先程も言いましたが、やはりサッカー界の人間がどれだけサッカー以外のことをできるかにかかっていると思います。今回優勝したなでしこも、試合以外のところが優勝に大きく関ってきたのではないかと思っています。そして男子も女子も近年の成績から分かるとおり、選手だけでなく指導者も世界に負けていないことが証明されていると思います。今までやってきた強化・育成の部分は間違っていなかったということです。あとは挑戦することではないでしょうか。もっと多くの人が海外に飛び出していってほしいですね。選手だけでなく、指導者やスタッフを含めてです。学生もそういう気持ちで頑張ってもらいたいです。


- 貴重なお話、ありがとうございました。

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写真左:中村副校長、右:宮本教務部長

今回お二方は私達の質問に対して、丁寧に、そして熱く答えてくださった。いつかこの学校からサッカー界を変える人物が現れることを期待して、私達は学校を後にした。取材に協力してくださった、中村副校長、宮本教務部長、さらには、このような取材の場を設けてくださったJAPANサッカーカレッジに感謝します。ありがとうございました。


質問者 代表 村中 & ライター 土屋