『別世界 Synergy（２５）』

MASAはいよいよ高級クラブで働き始める。

その日のお客様の入りを予測するために、
先輩に連れられて外に出てみると、
そこには着飾ったド派手な女性達が波打っていた。。。

お店がオープンしてからは、

MASAには騒音としか思えないような
鼓膜が震える大音響。

女性達の強烈なフレグランスの残匂
そして、飛び交う札束。。。

MASA：　もう何が何だか分からなくなり、

　　　　　「捉えられた宇宙人状態」で

　　　　　初日を終えたことを

　　　　　鮮烈に記憶しています。

店が終わると、外で美しい女性達が待ち構えていて、
ひいきの黒服を奪い合い、夜陰に消えてゆく・・・

それまで、夜の首都高で、

全身排気ガスや煤まみれになったり、
下水管のゴキブリ駆除をしていたMASA。

MASA：　想像はしたことはあっても、
　　　　　その想像の域をはるかに超越する

　　　　　その目の前の光景は、

　　　　　　住む世界の違いをまざまざと見せつけられたようで、

　　　　　　嬉しさはなく、逆に悲しかった。。。

今なら、こういう世界のドラマはたくさんある。

でも、その頃のMASAは　

どういう世界かよくわかっていなかった。

まったくちがう知らない世界に飛びこんで、
そして、昼の仕事も夜の仕事も続けていく。

Across The Border （国境を超えて）