3818号「成功と幸福を実現するために、この部分をまず反省せよ」



 砂辺光次郎

 講義録3818号

 (2014,12,19)






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成功と幸福を実現しようとしても、心の根っこが、それを拒否している場合があります。


心の根っこに、人を拒否し、人間を憎み、自分を嫌い、なかなかフランクになれない傾向性があるとしたら、


なかなか成功も幸福も実現しないでしょう。


むしろ、成功しそうになったら、それを壊す衝動にかられ、何度も、後悔する羽目に陥るでしょう。


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そうした心の傾向性について、考えてみます。


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1、



  なぜか、人と会うと疲れてしまう、という人がいます。

  また、なぜか、人と会うと緊張してしまって、フランクになれない、という人がいます。



  

  人とフランクに交流できない人はなぜそうなってしまうのでしょう。


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  最初からどんどん結論を書いていきますが、



 人とリラックスして交流できない、ひとつの大きな理由は、自分のありのままを出せなくて、演技してしまっているからだと思います。





 演技して、自分でない姿を出さないと、人にきらわれる、笑われる、という恐怖心があるからだと思います。


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 ではなぜそんな恐怖心があるのでしょうか?



 それは、小さい頃に親の前で演技をしなければいけなかったからだと思います。



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  ある人の親子関係に関する文章にこう書いてありました。



  「親の前で、親に気に入られる自分を出さなければ不安だった。



 だから、ごく自然に、本当の自分は心の奥底にしまいこみ、親の喜ぶ自分を出していた。



  心の中に、親に捨てられるという恐怖があった。親に否定されるという恐怖があった。




  それは、親の何気ない一言を誤解して強く受けてしまったのだと思うが、親に捨てられるという恐怖が心の中に宿った。



  だから演技するようになった。」



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  まさに、こういう幼少期の不安と恐怖心が原因だと思うのです。




  親が何気ない一言を言ったために、子供が「自分は否定された」「自分は捨てられる」という恐怖心をいだくのは案外多いのではないかと考えます。




 そのため、本当の自分では好かれない、親の気に入るような自分を出さなければいけない、という気持ちに自然となります。



  この気持ちのまま成長することによって、他人が怖い、他人の前では演技しないといけない、ということに繋がっていきます。




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  こうした人は、他人を深いところで信頼していません。



 心の底に他人への不信感が宿っています。



 他人が自分の弱点を攻撃するような気がしています。



 だから、本当の自分は奥へ隠して、「明るくて、笑顔で、いろいろなことをよく理解している」自分を演じているわけです。



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 こういう傾向が強い人は、他人の温かい心が信じられません。他人が、そのままの自分が好きである、ということが信じられません。



 そして、他人が、好意を持ってくれているのが、不思議に感じられます。



 他人が、好意を持ってくれたとしても、自分の年齢や家庭環境や本当の欲望を知ったら絶対に相手は自分を嫌うだろう、という確信をいだいてしまっているのです。



 だから、自分の本当の姿を極力出さないようにしているのです。



 他人に対して心の中で身構えてしまっているのです。




  心の中に、人と人とが、ありのままで信じあえる、というのが理解できないのです。



  他人が自分を攻撃してくるような気がするのです。



  そういう人は、目に敵意や恐怖があります。目がおどおどしています。



  心の中に、不信と敵意や憎しみがあります。



  だから打ち解けられないのです。



  だから他人の前でフランクになれないのです。



  こういう人は、本心を隠して、偽りの自分をみんなの前に出しているわけですから、自分に自信が出てきません。



  ありのままを出していないので、そういう自分に自信がありません。



  そもそも「ありのままの自分」が分からなくなっている場合も多いのです。



  たとえば、「自分の大好きなことを仕事にするといいよ」と言われても、きょとんとしてしまって、「自分の好きなことが分からない」という人も多いのです。



  あまりにも長い時間自分を押さえ続けてきたので、生々しい感情がなくなってしまい、本当の自分の気持ちが分からなくなってきてしまっているのです。




  あまりにも我慢しすぎてきてしまって、何が自分の本心なのかが分からなくなってしまっているのです。



  こういう人は何事も楽しめません。



  そして、他人の前では優れた人間であろうと緊張し続けます。



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  こうした人は、自然と、心に、強い劣等感を持つようになります。





  劣等感があると、ますます他人の前で優れた人間であろうと努力します。それが演技になる場合も多くあります。



  また、希望が薄くなり、他人のスキャンダルを楽しむようになります。他人の不幸や失敗に大きな関心を持つようになります。



  心の奥底に、恐怖と不安と劣等感が渦巻くようになります。



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  解決策は、幼少期の親子関係までさかのぼって考えることです。




  自分は親に何か恐怖心をいだいていなかっただろうか。




  捨てられる不安や、嫌われる恐怖心を持たなかっただろうか。




  あるいは、自分は親の前で自分を否定されたため、ありのままの自分を出せなかったのではないだろうか。



  そういうことを探求することです。



  それと平行して、



 「自分の本当の姿を出す」ことです。



  そして、

 「自分の過去の成功体験を書き並べてみる

ことです。



  この3つを実行することでかなりの解決になるのではないかと思います。


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