スパイスとハーブの芸術品「カレー粉」
カレーの香りって、いい香りですよね!
カレーの香りを嗅ぐとなぜか食欲が湧いてきて、カレーのときはなぜかごはんをたくさん食べてしまう。
皆さんもそんな経験はありませんか?
カレーの香りを作っているのはもちろんカレー粉です。
カレー粉はすべてのカレー風味の料理のベースになっているとても重要なスパイスです!
◆カレー粉ってどんなスパイス?
カレー粉は複数のスパイスを混合したミックススパイスです。
いくつもの異なる香り・辛み・色のスパイスが混ざり合わさって、あの香りが生まれるのです。
異なる特徴のスパイスが見事に一体となって出来上がる様子から「スパイスとハーブの芸術品」と呼ばれています。
日本でもいくつものメーカーがカレー粉を販売していますが、その配合はメーカーに依って異なります。
一般的にターメリック、クミン、コリアンダーあたりが多く含まれ、その他チリペッパー、ブラックペッパー、クローブ、シナモン、オールスパイス、カルダモンなどが、それぞれ独自の配合比で混合されています。
だいたい30種類前後のスパイスが混合されていることが多いようです。
◆日本にカレーを持ってきたのは?
カレーと言えばインドですが、カレーはインドから直接日本に来た訳ではありません。
日本にカレーという料理を持ってきたのはイギリスだそうです。
インドはイギリスの植民地でした。
インドの料理がイギリスに持ち帰られ、欧風にアレンジされて今我々が食べているカレーの原型が生まれました。
それがイギリスから日本に伝わり、さらに日本で独自に変化した結果、今日本で当たり前に食べられているカレーライスが誕生したと言われています。
◆カレー粉はインド生まれ?
カレーと言えばインドですが、もともとインドに「カレー粉」というミックススパイスはありません。
今ではインドでもカレー粉が商品として流通していますが、もともとはその日に作る料理や家庭・店の好みなどによって、スパイスをその都度混合して使われてきました。
この任意の配合比で混合されたスパイスは「マサラ」と呼ばれ、これがカレー粉の原型と言われています。
「マサラ」はヒンズー語で「(混合した)スパイス」という意味。
インド料理がイギリスへ持ち帰られた後、イギリスでインド料理を作るためにマサラを固定化し、商品化されて「カレー粉」が誕生したと言われています。
◆カレー粉ってどんな料理に使えるの?
カレー粉と言えば、やっぱりカレーですね!
カレー粉から作るカレーはいわゆる「昔ながらの黄色いカレー」。
いろいろな調味料で味作りされた市販のルウのカレーとは異なり、素朴でどこかほっこりするカレーができます。
ドライカレーにも欠かせません。
肉や魚との相性も良いので、焼き物・炒め物・揚げ物など、いろんな料理の風味付けに使えます。
じゃがいもやキャベツ、きのこ類など、野菜料理の香り付けにもばっちりです!
カレーの香りで苦手な野菜も食べやすくなる?
調味料としても優秀です。
塩、しょうゆ、マヨネーズに混ぜれば、いつもの調味料をカレー風味にアレンジできます。
カレー粉はとても便利なスパイスなのでお持ちの方は多いと思いますが、カレーのルウやレトルトが一般的になった今、カレー粉からカレーを作ることは滅多にないのではないでしょうか。
かく言う僕もカレー粉からカレーライスを作ったことは数える程しかありません。
久しぶりにカレー粉から作りたくなってきました。
カレー粉からカレーを作ると、ルウを自分で練ったり、味の調整を自分でしたり、市販のルウで作るより多少手間はかかりますが、意外と楽しいので、作ったことがない方はぜひ一度トライしてみてください!