魔法の粉で失った指が再生したー再生医療の威力 | オーウェルの日本再生論

魔法の粉で失った指が再生したー再生医療の威力

  先々週、近未来予測テレビ・ジキル&ハイドという

バラエティー番組で魔法の粉で事故で失った指が再

したという話をやっていました。傷口に4週間の間、

の粉をかけ続けたら見事に指が再生したというので

す。そんなアホなと私も思ったんですが、これは決して

ややらせではなく、実際の再生医療の分野で行な

ている研究から生まれた新しい医療技術です。


  まずは、その仕組みについて簡単に説明したいと

思います。この魔法の粉の正体は、細胞外マトリック

スと呼ばれる物で細胞と細胞の隙間を埋めるベッドの

ようなものであり、細胞の増殖などをコントロールして

いるとされています。人間の身体は傷ついた時に出血

や感染を防ぐために傷口に血小板などを集め、急い

で傷口を塞ごうとします。その結果失われた部分は再

生されないままになります。しかし、この細胞外マトリッ

クスをそこに塗ることで、かつてそこに在った細胞を増

殖させ見事に元の形を再生します。しかも、この細胞

外マトリックスは豚の膀胱から作られるため、コストは

安く抑えられるとのことです。


  アメリカの医療研究者がこの技術を開発したので

すが、まだ正式に人への使用が認可された訳ではあ

りません。この指が再生した人の場合も、人のつてで

この粉を入手し勝手にやったものです。しかしながら、

動物医療への使用はすでに許可されており、大きな

怪我をした動物達の治療に目覚しい効果を発揮してい

るそうです。アメリカで政府期間の認可が下りるまでに

は、あと3年ぐらいかかると言う話です。


  これは夢のような技術です。傷口が残らず綺麗に

再生されるようですし、火傷で醜くなってしまった皮膚

の治療などにも使えるのではないでしょうか。まあ、何

でもかんでも再生できる訳ではなく、今の所指一本を

再生するぐらいが限界だという話です。また治療中の

傷口の痛みはどうなのか、神経は再生されるのかなど

詳しい事はわかりませんでした。何にしても、日本で

この技術を早く広めて欲しいものです。外傷の治療に

大き効果を発揮したり、外科手術の傷口を塞ぐのに

も役立ちそうですから、患者の入院日数を大きく減ら

せるようになるかもしれません。

 

  しかしがなら、日本の医薬品の審査機関は認可が

下りるまでが長いことで有名です。海外で認可が下り

てもだらだらと何年も審査をしてからやっと認められる

というのがパターンです。実際問題として、海外の医薬

品メーカーなんかは日本での研究を嫌っています。国

による審査のための人も予算もアメリカやEUと比べて

格段に小さく、時間がかかるのが理由のようです。再

医療の分野はこれから大きく成長する可能性を秘

めており、せっかくiPS細胞など素晴らしい研究をする

人が本にいるのに、こんな状態では研究が停滞して

しまいます。政府はすぐにでも予算と人を増やしスピー

ディーな審査ができる体制を作ると共にこういった研究

バックアップしていくべきです。