「その1 天変地異仮説。 文字通り、世界規模で自然災害が起きるという仮説。特に世界各地の有名な霊能力者が『』を示唆している。すなわち、火山の噴火が最も懸念される」
 そういえば、地震の影響で富士山の噴火がどうのこうのという話を最近聞いたような気がする。


「その2 地球温暖化仮説。 地球温暖化は徐々に環境を変化させていくので、急激に環境が変動するわけではない。しかし、地球温暖化と火山活動は密接な関係があり、過去に温暖化が進んだ後に火山が噴火したという記録がある」
 やはり火山がキーポイントなのだろうか?


「その3 フォトンベルト仮説。フォトンベルトとは、銀河系のある場所に充満している高エネルギーの塊である。地球は2012年の冬に完全にフォトンベルトに突入するとみられている。フォトンベルトは巨大な電子レンジのようなもので、入った時にはすべての生物が強力な電磁波により、死滅しているとされる」
 フォトンベルトの話も数年前に聞いたことがある。しかし、天文学的なことはよくわからない。


「その4 惑星ニビル仮説。 惑星ニビルとは、地球の数倍の大きさで、2012年12月に地球に最接近し、正面衝突は逃れるものの、通過する際の強力な重力で、地球の時点が捻じ曲げられ、劇的な環境変化が起こるとされる」
 惑星二ビルの話も聞いたことがある。


「その5 宇宙的カタストロフィー仮説。 宇宙には特定の場所に元素が高密度に集合している場所がある。太陽系は現在、その場所に入りつつあり、完全に入ってしまうと、惑星そのものに多大な影響を与える。ポールシフト、重力変化、大気の変性など未知の環境変動が生じる」
 これは初めて聞く話だ。


「その6 太陽異変仮説。 これまで太陽の黒点は11年周期で増減が確認されていた。しかし、現サイクルはこれまでと異なり、

黒点の出現による太陽フレアの活発化の傾向がある。スーパーソーラーストームが起こる可能性があり、これが起こると、あらゆる電子機器が使えなくなり、精神が乱れて紛争が起きやすくなるとされる」
 太陽の活動はよくネタにされる。


「その7 太陽の磁極四極化仮説。 これは太陽異変仮説とは真逆で、今まで2極だった太陽の極が4つに変わり太陽の活動が停滞する。その影響で地球に氷河期が再来する可能性がある」
 その6と矛盾する。どちらが正しいのか。


「その8 ベテルギウス超新星爆発仮説。 ベテルギウスは内部での核融合が反応が活発で、近々、超新星爆発を起こすものと考えられている。ベテルギウスが超新星爆発を起こすと、ガンマ線バーストが地球に影響を与え、オゾン層に穴が空き、生命は宇宙線に曝され、絶滅すると考えられている」
 古代人が天文学に優れていたとはいえ、予測できるものなのだろうか。


「その9 陰謀者仮説。 世界人口70億人を突破した現在、人類の増え過ぎに食糧難を始めとした様々な危機が懸念されている。そこで陰謀者らが定期的に人口を減らそうと、古代文明の預言書になぞらえた人類減少計画を企てている。近年、各国の情勢が悪化しているのはすべてこの時のための予兆である」
 恐ろしい仮説。人類の敵はやはり人類なのか?


「おしまい」
「何か、話がデカすぎてどれもイマイチよくわからんなー」
 僕も徹夫と同じ意見だった。
 全体的に仮説を眺めてみると、宇宙の変化の影響による地球の環境変化が主な要因を占めている。
 ノストラダムスの大予言よりはかなり具体性が増している。
 あとやはりが関連しているように僕には思えた。
「あと一年半。一体何が起こるのか……」
 それは、結局僕らにはわからないままだった。