ころん
「!」
 くっつき合っている二匹はめえのコントロールにより、飼育員の網が落ちる方向を避けた。
「い、今のは肩慣らしだ……もう一度」
 ころん
 再び二匹は網が被さるギリギリを避ける。
「……。よし、それじゃあ、オレの本気を見せてやろう!! 奥儀・雷撃百網!!
 飼育員は目に見えない動きで網を被せてくる。しかし、
ころん ころころ ころろん ころん
「あはは、コノハ、くすぐったいよぉ~」
 めえはコノハにくっつかれて左右に揺れる。それが絶妙なタイミングで飼育員の網捌きを避けるのだ。
「……はぁ、はぁ、はぁ……何故だ。何故捕まらない……オレが捕まえられない動物なんて……!」
 その時、網を持った飼育員の肩を麻酔銃を持った飼育員が叩いた。
「お前はもう無理だ。ここからは俺がやる」
「くっ……」
 網を持った飼育員は悔しそうな顔をし、麻酔銃を持った飼育員とフェネック捕獲を交代した。
「俺の射撃で仕留められない動物はいない。なんたって、俺は日本動物捕獲麻酔射撃大会優勝なんだからな」
 飼育員がめえとコノハに標準を合わせ、ピストンを引く。
「!!?」
 しかし、めえがころころと転がり、これまた絶妙なタイミングで避けた。
「な……に……」
 麻酔銃を持った飼育員は動揺した。
「嘘だ……嘘だああああぁぁぁあー!」
 一発で仕留められなかった麻酔銃を持った飼育員は、プライドがズタズタに引き裂かれ、麻酔銃を乱射し始めた。
「あはは。コノハぁ~くっつきすぎだよぉ~」
 めえは麻酔銃をころころと転がって避ける避ける。
「はぁ……はぁ……はぁ……何故だ。俺が……この俺が……!」
 その時、麻酔銃を飼育員の肩を油揚げを持った飼育員が叩いた。