「ひゃぅっ!」
 カリンはそぉーっとショーツを降ろすが、どうやってもしっぽを擦ってしまう。
「はぁはぁはぁ……ここは一気に降ろすかぁ」
 カリンはショーツを勢いよく降ろした。すると、それに弾かれたようにしっぽがビクビク反応し、下半身を掠める。
「ひゃぁっあっはーん」
 変な声が出る。しかし、これでしっぽは自由になった。自分の意志で上下左右に動かせる。
「あちゃー、靴下は足がデカなったおかげで破れてもうたなぁー。ブラも弾け飛びそうやし、一回、全部脱ごう」
 カリンは上から順に服を脱いでいき、すっぽんぽんになった。
 しかし、全身が毛で覆われているので、あまり恥ずかしいとも思わない。
「うち、何に変身したんやろ? あぁー、早く電気つかへんかなぁー」
 そう呟くと。
 思いっきり光って、雷の轟音が響いた。
「ひぃぃぃー、ごめんなさい。ごめんなさい。好きなだけ鳴って下さい」
 カリンは雷の音にビックリして思わずしゃがんだ。
 すると、ドンドンと部屋の扉を叩く音がする。
 カリンは変身していることもすっかり忘れ、部屋のドアを開けた――その瞬間、
「ぎゃあああああああーお化けぇぇぇぇーーー!」
 再び雷が大きく光った。雷の光に反して影として映った、扉を開けたカリンの姿を見て、弟は大きく叫んで気絶した。
「そんな大袈裟やでー」
 カリンはそう呟いて、部屋から出てきた弟を弟の部屋に戻す。恐らく、自分の部屋にいて怖くなったので、カリンの様子も見に来たのだろう。
「しょぼい弟やけど、まぁ、これはこれでカワイイ奴か」
 カリンはそう言って、弟の部屋に運び、ベッドの上に寝かせた。
 そして、自分の部屋に戻ったところで、ようやく電気が戻った。
「お! 点いた点いた!」
 カリンは早速立て鏡の前に立つ。
「!」
 カリンは絶句した。カリンが変身した動物は――
「ネコや! わぁ~何かいいなぁ。カワイくねぇ? 自分で自分可愛いとかおかしいけど、でも、可愛い! これはハーフやなぁー」
 ハーフトランス。カリンはネコに半獣化していた。
「ん?」
 ここでふと気付く。鏡をよぉーく見ていると自分が何かに見えてくる。
「アメショのハーフってことは……そ、そうや! こ、これはネットケモアイドルの花梨や! 前から名前が似ていると思っていたけど、目は青くないし、髪は白くないけど、う、うち、花梨になっちゃったで!!」