カチャ
後ろでドアが閉まる音がした。
「!」
嫌な予感。ものすごく嫌な予感。
「みぃ~たぁ~なぁ~」
カリンが邪悪な声を発する。コノハは恐る恐る振り返った。そこにはじとーとこっちを見つめてくるカリンがいた。ジュースとお菓子を乗せたお盆を手に持っている。
「い、いや、これは、あの、その……」
「みぃ~たぁ~なぁ~」
ダメだ。こっちが認めるまで同じことを聞いてきそう。ここは展開を促すためにも認めるしかない。
「え、ええやん! 私とカリンの仲やろ」
「うちは見やんといてって散々注意したでー」
「うっ……そ、そうやけども」
どうしたらいい? ここは――
「あ、ごめん。私もトイレに……ん?」
カリンを避けて扉を開けようとしたが……
「あ、あれ!?」
ガチャガチャ
扉はうんともすんとも言わない。
何だろう、このRPG的な展開は……
「ま、まさか……」
振り返ったカリンの口元が笑っていた。