「!」
 サラの変身に見入っていた三匹だが、サラが人の姿に戻ると、ちょっと顔を赤面させた。全裸の女性が仰向けになって寝ているのだ。あちこち、見てはいけないものが視界に入ってしまう。
「みんな……はぁ……そう恥ずかしがらないで……はぁ、はぁ……ここはそういう店なのよ」
 言われてみればそうだ。しかし、初体験の三匹にとって、初めて会った人の裸を見るのは何だかやっぱり恥ずかしい。
「あ、あの、そのぉ……サラさん、毛……剃っているんですか?」
「ええ、そうよカリンちゃん。私は剃る主義なの」
 サラの秘所が丸見えだ。気になるけど、まじまじとは見れない。
「はぁ、はぁ……それじゃあ、キツネになるわね……あうぅ……」
 サラは立ち上がり、すぐに変身し始めた。カリンはしっかりとケータイでムービーを撮る。
 サラの手足が金色の毛に覆われ始め、爪が鋭くなり、獣毛が体の内側に向かって侵食していく。手の平にはしこりができ始め、それは肉球へとなっていく。
「はうぅっ!」
 お尻からしっぽが生え始め、ふさふさとしたキツネのものになっていく。頭の方では、耳が上方に移動しながら三角形になっていく。鼻と口が前に突き出していき、鼻先が三角に黒ずむと、マズルができあがり、ぴょんぴょんとヒゲも生える。
今度は立ったまま変身するつもりらしく、体を小刻みに震わしながら、でも崩れ落ちることなく、サラはキツネのケモッ娘へと獣化していく。
「はぁ……はぁ……はぁ……どう? カリンちゃん?」
「すごいです……サラさん、きれいでした。ありがとうございます!!」
「それはよかったわ……はぁ……はぁ……」
 キツネに変身し終えたサラは荒い息使いでフラフラとしている。コノハとテンリが肩を貸し、カリンはそこでムービーを撮り終えた。カリンはケータイを置いてくると言って、更衣室に走って行った。二足歩行で。