昨年11月の台風被災地も未復旧 日本兵遺骨のみが未回収 青森県議パラオ視察報告書(12月26日) | help-palau 台風30号被害の「パラオ」の支援情報ブログ 

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2013年11月、台風30号で甚大な被害を受けたパラオの復興支援のため、各種情報を収集・翻訳します。2chやTwitter、Facebookなどで情報拡散して下さってる方、ありがとうございます!

昨日公開された、青森県の工藤慎康議員のパラオ視察報告書に、昨年の台風被災地の情報などありました。今年の台風30号が直撃する直前の視察のようです。下記に抜粋引用致します。

海外派遣結果報告書
http://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/gikai/files/25kaigaihaken_kudo_noriyasu3.pdf
●パラオ政府観光局との意見交換
・州税(観光税)について
パラオ共和国の産業の8割以上が観光資源となり、各州とも$10の州税(観光税)を徴収し、徴収した税金は州政府職員の給料として支給され、他のインフラ整備にまでは廻らないのが現状である。
パラオ共和国の州税徴収にはバラツキがあり、前首都コロールが一番収入があるもののパラオ共和国全体で州税を統一し管理することは出来ない。
・ジェリーフィッシュレイクパミット(入園料金)値上げについて
3年前にパミットは$35であったが$100に値上げをした。理由は、クラゲを守るために足ヒレのバタ足を禁止していたが、韓国・台湾・中国から来るモラルの低い観光客が破り、半分以上のクラゲが死滅したことによる。予防法として、欧米のアドバイスで料金を値上げすることにより、モラルが高い富裕層の呼び込みを行った。今後はさらに値上げも検討している。
・自然公園内におけるゴミについて
パラオ共和国に来る多種多様の観光客の中には、ゴミをポイ捨てする観光客もいる。罰金制など対策は検討中だが自国の場合、小中高等学校(実際は小学校 8 年間、高校 4 年間)の生徒が島々に行きゴミ拾いを行う予定にしている。
国のゴミの処理においては、他国からの援助が無ければお金が無い国としては厳しい。
・観光誘致における今後の取組方
世界的にパラオはまだ知名度が低いので、今後日本の大手広告代理店を使い PR していきたい。

●セブンティ・アイランド、ロックアイランド世界自然遺産視察
2012年6月に世界遺産登録となった、ロックアイランドをボートを使い視察した。
視察コースは、ミルキーウェイ⇒珊瑚礁におけるシュノーケリング⇒ジャーマンチャネル⇒ホワイト・ロングビーチ⇒ジェリーフィッシュレイク。
1.世界遺産登録地の状況
ボートによる移動を行い、各観光場所にて停泊し体験させる。
ミルキーウェイでは、海底にある泥をパラオ人スタッフが潜って採取し、それを実際に観光客自身が手に取り、肌に塗る。
シュノーケリングポイントでは、熱帯魚と触れ合う事が出来る。規約上では、餌付けをしてはならないことになっている。日本人観光客は、それを守り鑑賞を楽しんでいる。しばらくすると、同地に台湾人専用観光船、韓国人専用観光船、中国人専用観光船が来訪し、シュノーケリングを始めると同時に餌付けをし魚を集め出した。ここでも、観光モラルの問題があった。
3.ジェリーフィッシュレイクの入園ゲートの方法
3 年前のジェリーフィッシュレイク許可証は$35と低価格であったので入場者数も多く、そのおかげでクラゲが激減したという。現在、許可証は$100となり、韓国、台湾の観光客が激減し、パラオ観光収入も激減したと言われている。その反面、日本人観光客の入り数は変わらないとのことであった。

●戦地戦跡視察と第 14 師団ペリリュー戦車隊埋設場所の確認(ペリリュー、アンガウル)
埋設されていた日本軍戦車の場所は、本来個人所有地で入れない場所であったが、今回は州政府の特別な計らいで見ることが出来た。しかし、昨年 11 月の台風によりペリリュー島の被害が大きく戦車 5 台が埋設されいてるとされる場所も木々が倒れ、1 台のみ確認がとれた状況だった。

昨年 11 月、パラオ諸島とフィリピンを襲った台風は100 年に一度の台風と言われるほど巨大で、パラオ、フィリピンとも被害は甚大であった。
特に、パラオ共和国ペリリュー島とアンガウル島の被害は大きく、殆どの民家の屋根が吹き飛ばされ、住む事は不可能な状況だったようだ。
また、台風襲来の際、島民の多くは旧日本軍が陣地構築した洞窟に非難し、難を逃れたという。

●ペリリュー島慰霊碑
写真内①:銃弾が撃ち込まれた跡がある。
写真内②:蹴飛ばされて折れた石碑。
この慰霊碑の向かい側にアメリカ軍遺族の慰霊碑があります。聞くところによると、向かい側の慰霊碑に来ている人たちがやっていたとのことでした。

Ⅳ 視察を終えて
インフラ整備の殆どが、諸外国からの援助資金により整備がされているようであり、近年、アメリカ軍撤収の噂もあるパラオは、今後のインフラ整備が厳しくなるものと考えられる。
また、パラオ人は、建設等の仕事に従事する者が全くといっていいほどいない。
労働力は、フィリピンなど東南アジア系の国々に頼り切っているのが現状であった。

ペリリュー島では、西太平洋戦没者の碑(平和公園)約1㎞手前で道路が崩壊し、跡形もなくなっていた。崩壊場所からジャングルと珊瑚のガレキで覆われた海岸線を約50分歩いてようやく西太平洋戦没者の碑公園に到着した。西太平洋戦没者の碑そのものの被害は無かったが、公園は台風の波により破壊されていた。
厚生労働省からは、平成 26 年度予算で西太平洋戦没者の碑公園の修復予算を要求しているとの説明を受けたが、ここまで来る道路整備の予算の話は無かったのでどうなるのか心配である。崩壊した道路の整備費が無ければ公園の整備も滞る可能性があるのではと危惧する。

終戦から70年を迎えようとしているが、第二次世界大戦における戦没者の遺骨収集がいまだにできていないのは、日本だけであった。アメリカも中国も韓国もすべて収集し終わったとのことであった。

厚生労働省によれば、遺骨があると思われる場所を試掘し、発見されれば本格的に発掘するという手順のようである。
しかし、終戦後の記録は無く、占領したアメリカ軍は、戦車の中に遺体があるのを知りながらそのままブルドーザーで埋めてしまったとのことであった。今では、その埋められた戦車は、車輪の一部がかろうじて見えるだけで、内部を見ることすら出来ないほど植物が生い茂っていた。この他に日本軍戦死者の遺体は、その辺に穴を掘って埋めたようである。
アメリカ軍がパラオに攻め込む前に、日本軍は、現地人を一時避難させたとのことである。アメリカによって占領された後に戻ってきたパラオ人は、ぞんざいに扱われていた日本軍戦死者の遺体を収集し、丁重に墓を作って埋めてくれたそうである。
また、アメリカ軍の攻撃が始まる前に日本人の避難も始まったそうだが、避難民を乗せた商船等も撃沈され海底に沈んでいるとのことであった。
厚生労働省によれば、戦死者の約半数が収集できたとのことであるが、未だに手つかずの地域も非常に多くあり、本当のところの戦死者の数は、記録が無いのが実態のようである。
一方、2012年に世界自然遺産に登録されたこともあり、海洋地域においての遺骨収集はさらに難しくなっている。今後、どのように遺骨収集を行うのであろうか。



また、県議に同行なさった方もパラオ視察レポートを公開して下さっています
http://www.photobb.net/bbs.cgi?id=20709&pid=&cy=2013&cm=11&cd=29より

http://www.photobb.net/20709/r1928-1385712833.jpg
№3、昨年11月、強大な台風24号の直撃でパラオ国内の被害は大きく1年が過ぎた今なおも壊れた家屋がそのままになっていおり、ホテル・マユミインの女将さんの家はバックの家に住んでいる。
話によると、台風直撃前に州政府の指示により全島民を旧日本軍が作った洞窟に非難させたという。
島民たちは、洞窟に生活用品を持ち込み、発電機を回して台風が過ぎるのをジッと洞窟の中で過ごしていたそうだ。

http://www.photobb.net/20709/r1928-1385712871.jpg
ペリリュー島2日目、昨年の台風24号被害により崩壊された西太平洋戦没者の碑と公園の視察に向った。
西太平洋戦没者の碑については↓
http://www.mhlw.go.jp/bunya/engo/seido01/ireihi09.html
被害は、碑の周りの公園はメチャクチャに崩れ、そこに到る道路も崩壊していると聞いていた。
NORIさんは、これら碑と公園の修繕費用として平成26年度予算に計上されているとを厚生労働省の担当者から聞いていた。
で、行ってみることにした。
№1、道路はここで崩れ寸断され、ここから約1km奥に入った南端にある。
のだが・・・ここから歩かなければならない。

http://www.photobb.net/20709/r1927-1385711870.jpg
№1、やっとたどり着いた西太平洋戦没者の碑。。。
何をどう思っているのか?ジーッと見つめていたNORIさん。。。。
碑の向こう側は、外海となり水平線には一千名が玉砕したアンガウル島が見える。

№2、西太平洋戦没者の碑と記載された板。

№3、水平線のアンガウル島をバックに。
この西太平洋戦没者の碑には、アンガウル島の戦没者も含まれているという。
ペリリュー島からアンガウル島までは通常の小型ボートでは行けない。
慰霊参拝で訪れる遺族も、外海となるアンガウル島までは大きなボートをチャーターしなければ行けないので、ここであきらめる人達がほとんどとか。
また、ここの南側はペリリューコーナーと言われる有名なダイビングポイントで、ここで潜たったダイバーは鼻が高いが、ここの潮はダウンカレントや潮流の速さで流され亡くなるダイバーも多く、そういう意味では世界的に有名なポイントでもある。
が、戦時中、日本兵は伝令のためにアンガウル島からペリリュー島までの約14kmを泳いで渡ったという。

http://www.photobb.net/20709/r1927-1385711900.jpg

西太平洋戦没者の碑と公園整備予算が平成26年度予算に形計上されたのは良いけれど、この公園までの道路補修工事はどうなるのか?
道路が整備されないと、公園の整備が出来ないということになる。。。
パラオ共和国という国は、これと言う産業は無く観光業ひとつで収入をえている。
その他の資金は、アメリカ、台湾、韓国などの他国からの援助で日本はODAという形で道路工事などを行ってきた。
自国費で大工事を行うことはまずない。
なぜならパラオ人には必要ないからだ。
しかし、観光客の誘客を勧める上でインフラ整備が必要(他国と同じように)となり、そのインフラ整備を各国からの援助でまかなっているのが実情。
言うなれば、青森県と同じに国の交付金が無ければどうにもならないのだ。。。
で、碑の公園は戦没者の碑ということで日本政府が整備することになるのだが、ここまでの道路は誰が行うのかということになる。。
もし、道路が整備されずにいると公園の整備費は浮き、西太平洋戦没者の碑の公園整備が行われないことになる。
ましてやパラオ人にとってここは、公園を整備しようが整備しまいが必要ない場所なのであるから、この場所はどうなるのか?
日本政府が道路整備費を出す必要が無い、とするのか、必要だ、とするのか。
見ものである。。。

http://www.photobb.net/20709/r1927-1385711974.jpg
ちょっとパラオに残された孤児の話。
日本統治時代のパラオには日本人とパラオ人との間に相当数の子供たちがいた。
敗戦後、パラオはアメリカ統治となり、父親となった日本人たちはパラオ人との間に生まれた子供たちを残し日本に帰ることになった。
いつしか、置いていかれた子供たち自分たちの国籍は日本人なのか?パラオ人?なのかと悟り始めた。
そして、自分たちの国籍や父をたずねて日本に渡ろうとしたが、彼らに待ち受けていた言葉が「日本に来るな!」と言う父親からの言葉だったとか。。。
ペリリューには、戦争とは別な話も残っている島なのだ。。。
たまに、島でそういう人達と言葉を交わすこともあるが、彼ら彼女らは日本人をどう思っているのか、心が痛む。。。。

http://www.photobb.net/20709/r1927-1385712039.jpg
現地ガイド達は、沢山の州税や環境税を徴収しているのでもう少し環境アセスメントに回し、自然環境を重視した整備を必要だというのである。
が、局長いわく「パラオは他国の援助を必要とする国で、観光客から徴集する州税や環境税はパラオ政府職員の賃金に多く使われ、環境アセスメントまで廻らない」ということであった。
また、パラオの見所「ジェリーフィッシュレイク」(毒針を持たないクラゲが沢山泳いでいる湖)の入園料が昨年から$35から$100に値上げし、それによる環境整備が整ったわけでもないという意見もあったので聞いて見た。
局長「ジェリーフィッシュレイクに入り泳ぐ時、足ヒレによるバタ足でクラゲを叩かないよう注意警告をして来たのだが、それを無視する一部のアジア観光客によりクラゲが半分まで減ったのを踏まえ、欧米諸国の意見から入園料を上げモラルの低い観光客の排斥を行ってはどうかとアドバイスを受けたので値上げをした。効果は大いに有りクラゲの数が増えた」という。
つまり、環境税や入園料金の値上げを行うことにより、モラルの低い観光客の排斥を行ったということである。
が、アジアからの観光客は減ったとも言い、今後はモラルの高い観光客を呼び込みたいという。
その反面、日本人観光客の入り数は変わらないと言われた。

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話は変わり、先週金曜日に水戸ペリリュー慰霊会からワシに連絡があった。
「何故か12月上旬に急遽、厚生労働省がペリリュー島に行くことになましたよ。」と。
「えっ!?」って。