イラスト&ショートストーリー製作工場 -85ページ目

「遠くて近い存在」

僕と彼女は朝7時50分に、すれ違う。


僕が前夜飲み過ぎて部屋を出るのが遅れると、

彼女とすれ違うのは駅寄りなるし、

逆に僕が早いと駅から離れることになる。

彼女はまるでソーラー電波時計みたいに正確だった。


僕は駅から会社へ向かって歩いていて、

彼女はたぶん仕事のために、自宅から駅に向かって歩いているのだ。

彼女は99%、いつも決まった時間に家を出るのだと思う。

そして平均的に、運河にかかる橋で、すれ違う。

7時50分に出会う場所は、橋の手前か、真ん中で、

すべては僕の朝の寝起きの良し悪しにかかっている。


彼女は30半ばで、服装は黒が多く、とても地味な感じだ。

「きっと彼女のようなひとがビューティーコロシアムに出ると激変するんだろうな」

と勝手に思ったりする。


彼女はいつも歩道の傷み具合をチェックする道路工事員みたいに、

うつむきかげんに歩いている。

だから、かなりの部分で橋の補修すべき箇所を把握しているに違いない。


「今日は寒いですね」

と僕は話しかける。

口には出さないが、いつもそんな風に挨拶している。

それでも彼女はかなり熱心に道路を見ているから、

案外、公団関係者だったりして。


稀に、彼女に合わない朝とかがあると、妙に気がかりだ。

きっと、こういうのを遠くて近い存在と言うんだろうな。



彼女の詳細な現地調査のおかげでなのか、

実際に、この橋は本格的な補修工事に入りました。



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“1+1= ”  に答えてみよう。

ボクは算数とか数学が大の苦手です。


大人になった今でも、手足の指本数20を超える演算には、

冷や汗が出ます。


自慢ではありませんが、小三年生まで、


“1+1= ” を “11”

 

と真面目に答えていました。


足し算と掛け算はまだマシです。

その上手をいく、引き算とか、

特に割り算が嫌いです。


なにせ、プラス思考ですから・・・

言い訳になりませんかね、やはり。


でも、 “9-9=” の答えが


“(9_9)”


なんて、かわいくありませんかね。

えっ、そんな問題じゃない?


でも、宇宙向かうための数式理論

“1+1=”の答えが


たとえばこうなら、


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ちょっと夢がある気がするし、


二人前食べるなんて

太り過ぎに注意。


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どうです?


「地デジ化のためでなく」

僕の家の家電製品は壊れない。


松下製のブラウン管テレビだって、画面が歪んでいるけれど、

一向に壊れる気配はない。


ここ最近はブラウン管の寿命からか、

さらに歪みが進み、画面が4:1(横:)になった。


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いつか買い換えようと思っていたのだけれど、きっかけを失ってしまった。

マンションで地デジ対応だから、そのまま見続けることができるし、

これだけ頑張っているテレビくんを見ていると、それなりに愛着がわいてきた。


僕の家には他にも、結婚当初に買った電子レンジや冷蔵庫、扇風機が健在で、

独身時代から使っている炊飯器と洗濯機は、

いまだにしっかりお米を炊き、服の汚れを落としている。


それにしても日本製品って本当に丈夫だ。

ただ問題なのは、妻が最新の電子レンジとか、全自動洗濯機見ていて、

ため息を付くようになったことだ。


最近の新製品は省エネで静かだし、新機能で至れり尽くせりなのだから、

当然と言えば当然だ。


そんなある日、妻とショピングセンターを歩いていて、

液晶テレビの展示品の前で妻が立ち止まり、ふと呟いた。


「松潤って、足が長かったのね~」


そろそろ本気で買い換えようと思った。