工藤浩平と言う発見 | CZOブログ

工藤浩平と言う発見

本日の鹿島戦2-0と「山雅らしい」見事な勝利でしたね。

さて「山雅らしい」とはなんでしょうか?
一般的には「11人が90分間サボらず走り続ける」って意味で使われてるんだろうけど、私はより具体的に①人数をかけた守備②手数をかけないシンプルな攻撃③セットプレイでの得点…以上
3点に「山雅らしさ」を見出しています。
そういう意味で鹿島戦は非常に「山雅らしい」勝利だったなと思ってる訳です。

さて本日はタイトルの通り工藤浩平さんについての雑感を。

加入が発表された時の妄想では京都時代の気の利いたボールの出し入れが印象に残っていたので「ポゼッションの向上」と「カウンター精度向上」に工藤さんの価値を見出していました。
ただ個人的にJ1で流れの中での得点は難しいと割り切っていたので「カウンター精度向上」の必要性にも疑問を持っている部分もあって「山雅らしさ」を追求していくようだとせっかくの工藤さんが生きるのは難しいのでは?とも考えていましたね。

それが2ndステージ蓋を開けてみて3試合、その考えは大きく変えられつつあります。
0-6で大敗した広島戦では中盤でDFとFWのリンクマンとして今までの松本にないパスワークで違いを見せていたと思います。工藤選手を中心としたショートパスでの崩しに新たな松本山雅の可能性を見出した人も少なくないのではないでしょうか?
私もそれは強く感じました。
ただ一方で広島戦での松本山雅の戦いぶりを見た時、①パスミスを犯した時のリスクヘッジが出来ていない点②カウンターの際個で守る力が弱い点…において工藤さんを中心とした「パスサッカー」へと移行していくのは残留と言う短期的な目標を考えた時に現実的ではないのではないかとも。
と言うか、改めて「バレーボールサッカー」こそが"今"松本山雅FCがすべきサッカーなんじゃないかと感じたものです。

で、今日の鹿島戦。
個人的な注目点は「工藤さんをどう扱うか?」でした。
それはつまり端的に言うなら「蹴るのか?/繋ぐのか?」って事ですね。
この試合、広島戦の様に工藤さんが中盤に落ちてショートパスでリズムを作るシーンはほとんどなかったと記憶しています。
1stステージの様にシンプルにオビナ選手に当てるところから攻撃をスタートさせる「山雅らしい」サッカーを終始徹底していた様に感じました。
(2試合でここに戻ってこれたのに広島戦の大敗の価値を感じています)
そしてそんな「山雅らしいサッカー」の中で広島戦より高い位置取りをしていた工藤さんは個人的にMOMを与えたくなるようなプレイを披露してくれました。
相手の隙を突いた先制点もさることながら、オビナさんの競った後の抜け出しやボールを収めたところへの気の利いたフォローで攻撃に連続性を与えていたと思うし、また孤立してしまった際には持ち前のテクニックとキープ力でファールを誘ってくれてセットプレイまで取ってくれたのには頭が下がりました。

工藤さんの加入が発表された時「フィジカルも個での打開力もある方ではないアタッカーが山雅で即戦力として活躍するのは難しいのでは?」と正直思っていたものですが、持ち前のクレバーさとテクニックで「山雅らしいサッカー」を加速化させてくれるとは完全に想像していませんでした。
「頭の上をボールが行き交う展開でも工藤さんは生きることが出来る」これはタイトルの通り私的には大きな「発見」でしたね。

工藤選手の特徴って非常に言いにくてて「ボールの出し入れの上手さ」と表現していたんですが、今日のプレイにおいては「入れ」の部分、つまり「受け」のスキルの高さが際立っていた様に感じました。
その「受け」のスキルが山雅の攻撃に連続性を与えてくれていましたね。

そしてこの工藤さんのプレイって「松本山雅に合わない」と(私が勝手に)思っていた選手にもヒントを与えたくれるんじゃないですかね?
例えば和田さん。
小柄でテクニックがある点では工藤さんに似てると思ってるんですが、山雅のサッカーの中で彼が生きる道が見えたのは彼の中でも刺激になって行くんじゃないですかね?
そう考えると今後の相乗効果も期待できそうです。

とにもかくにも今日の1勝は山雅にとって間違いなく大きかったはず。
キツイ戦いは続くと思うけど「山雅らしいサッカー」をブレずに貫いていって欲しいと思います。
今の山雅にはそれしか道はないと思うので。