天皇杯東京都予選決勝 町田ゼルビア×専修大学 | CZOブログ

天皇杯東京都予選決勝 町田ゼルビア×専修大学

2011/8/27  18:00KO


町田ゼルビア 1-1(PK5-4) 専修大学

【得点】

専大 町田也真人

町田 勝又慶典(PK)



《試合経過》

http://machida.keizai.biz/headline/939/


《試合感想》

最近見た試合の中では指折りに見応えのある試合でした。

最終的には延長で決着がつかずPK戦にもつれた訳ですが、試合が終わってしまうのが惜しく感じたほどです。


専修大は準決勝で横河武蔵野FCを一蹴した4-2-3-1。

基本的に守備は前線からのハイプレスで攻撃はパスサッカーでした。
特に庄司選手がゲームを作り町田選手・長澤選手らゴール前で変化を加える攻撃は破壊力満点でしたね。


一方の町田。

こちらはおそらくいつも通りの4-4-2。
ただ普段は勝又選手とディミッチ選手とで組んでるはずの2トップが勝又選手と北井選手のスピードに長けた2人だったのが特徴的だったと思います。


前半は町田ペースだったかな。

普段の町田のサッカーって言うのはそこまで把握してはいないけど、序盤から勝又選手・北井選手のスピード溢れる2トップを中心に積極的に専大ディフェンスの裏を狙い積極的にそこにボールを蹴っていたのが印象的でした。

そしてそれに対応するように専大ディフェンス陣がラインを引いていき時間の経過と共に中盤との距離が悪くなっていったなと。

そうなると専大は武蔵野戦で見せた様な連動したプレスが出来なくなっていき、逆に町田のスピード感のある攻撃が際立っていきますよね。

あえて北井選手を先発させたことといい「ポポビッチ監督は専大をよく研究してきたな」と感じさせられたものです。

またその研究の成果は守備面でも感じました。

前述の通り専大はパスサッカーが持ち味で、生ぬるいプレスなら逆手にとって前に進む高いスキルをそれぞれ持ち合わせたチームです。

それに対し町田はボールホルダーに対し飛び込まずジワジワとパスコースを消していきプレイの選択肢を狭めていくようなディフェンスをしていたなと。

その結果相手と入れ替わることが少なく逆に多くのパスミスを誘発させ、そこから速攻を仕掛けるシーンが多かった気がしました。

正直準決勝の試合を見て専大がかなりボールを支配するかなと思ってだけに、町田の試合巧者ぶりと言うか地力の凄さにはいい意味で驚かされましたね。


そんな感じで前半は1-1の同点。

コンパクトに感想をまとめるなら、町田のよく研究されたディフェンス網を自らのスタイル(=パスサッカー)で先制点を奪った専大も見事だったし、この日満を持しての先発となった北井選手が持ち前のスピードを武器に得点に繋がるPKをゲットした町田も共に見事でした。

非常に見応えのある前半だと感じました。


で、その後の展開ですが後半から延長にかけては非常に拮抗した試合だったのかなと思っています。

町田の運動量が落ちて積極的にラインの裏へ飛び出さなくなったのもあるし、専大が修正してDFラインを引き過ぎなくなったのもあって専大が徐々にコンパクトな本来のサッカーをしていくようになりました。

その結果少ないタッチでのパス交換にドリブルを織り交ぜた攻撃で町田を翻弄する場面が時間の経過と共に増えていきましたね。

ただそんな中でも専大はボールを支配するものの相手ディフェンスの裏は取りきれていなかったし、逆に町田は一発で勝負を決めることが出来る勝又選手・北井選手にボールが渡ればチャンスの雰囲気はあったしで、非常に緊張感のある均衡した試合は続いていました。


そんな中での10分ハーフの延長後半半ばでの町田GK修行選手の負傷。

結果的には頬骨の陥没骨折とのことですが、おそらく至近距離のシュートストップのシーンで交錯した際に

顔に足が入ったんでしょう。

立ち上がれず治療に5分以上使っていたし相当ヤバイのは伝わってきたけど、一方で交代枠を使い切りどの選手もここまで100分以上死闘を演じた来たと言うこの試合の流れを考えたらなんとしても立ちたい展開でした。

と言うか、少なくとも自分は修行選手が立ち上がれずにフィールドプレイヤーが代わりにGKをやる様だと専大勝利でこの試合及び天皇杯出場権は決まりだなと思っていました。


そんな状況でしたが数分の治療の後に修行選手は立ち上がりました。

そしてヤバそうな雰囲気を出しながらも何度かの守備機会をしっかりと守りきり試合はPK戦へ。

終盤なんとかプレイしていたのでホッとしていたんですが、延長終了と共に横たわりPKまでの数分も治療を続けていました。

と言うか、両軍の選手がハーフウェイラインに並び専修大学の町田選手がキッカーとしてスポットへ向かっていても立ち上がれず治療を続けていましたね。

いよいよヤバイ雰囲気で町田の選手も誰がGKやるか話し始めたところで再度修業選手は立ち上がります。

これもPKの準備ができてから5分以上経過したくらいでした。

ただ立ったと言っても修行選手の足元はフラフラでとてもPK戦が出来る状態とはとても思えませんでしたが。

そんな状況でしたが、なんと修行選手は1本目の右に飛んでストップ。

修業選手の治療で変な間が開いてキッカーとしては非常にやりにくい状況だったとは思うけど、あの状態でストップしたのは見事の一言でしたね。

ただ会場が沸く一方で修行選手はガッツポーズすら出来ずにゴールポストに身体を預ける姿はとても見ていられるものではありませんでしたが。


結局この後町田は5名全員がきっちりと決めて修行選手が魂で止めた1本のリードを守りきりPK戦5-4で勝利。

試合終了後、整列も出来ず表彰式の最中もずっとピッチ脇で治療を続けていた修業選手は数分後に到着した救急車で運ばれていきました。


試合を通してはどちらに転んでもおかしくない好ゲームだったけど、最終的には修行選手の魂とそれに引っ張られた町田の選手達が引き寄せた勝利だったのかなと思います。


それにしてもアツ過ぎるゲームでしたね。

試合後数時間は余韻で感動できるほどでした。



最後にtwitter情報だと修行選手は大事に至ってないようなのできっちりと直して早く復帰して欲しいものです。



《気になった選手》

町田ゼルビア

DF 田代真一

CBで出場。

やっぱりJFLレベルでは惜しいほど素晴らしいCBですね。

特に対人の強さ上手さが際立っていて、相手の前に立ちはだかるだけでプレイの選択肢をなくすディフェンスは見ててため息が出た程です。

今のところ期限付き移籍と言う事だけど実力的にはまだまだ上でやるべき選手だと思うので、これからの動きに注目ですね。


FW 勝又慶典

2トップの片方で出場。

身体能力が高く前線にいるだけでゴールを脅かせる怖さのある選手ですね。

結果的にはPKでの1得点に終わったけど、その存在がけん制になって試合に緊張感を与えていたように感じました。

この選手もこれからの進路に注目したいですね。


専修大学

DF 北爪健吾

前橋育英から加入の1年生DFですね。

高校時代はCBだったと思うんだけど、この日は右SBで出場していました。

スピードがあって攻守に対人の強い選手だなと。

特にサイドを長い距離を駆け上がるドリブルは見てて興奮したものです。

まだ1年生との事なので、これから一層活躍していって欲しいですね。


MF 庄司悦大

ボランチで出場。

強気にねじ込んでいく縦パスが非常に印象的でした。

専大は前線のアタッカーがどうしてもインパクトあるけど、このチームはそこにグイグイとボールを供給していく庄司選手あってこそだと感じたものです。

4年生という事で進路も気になりますが、それ以上にチームでの彼の後継者が気になったり。

とにもかくにもこれからの活躍に注目していきたいですね。


MF 町田也真人

トップ下で出場。

バイタルエリアで前を向いて危険なプレイが出来る選手だなと。

この日のゴールも後ろからのパスを前向きながら受けてる訳だし小柄だけど怖い選手ですよね。

プロ志望らしいのでなんとかプレイスタイルにあったチームに決まって欲しいものです。