軍学共同研究の是非の議論が続いている

学術会議は「大学の自治」として対応すべきとの立場である

今、大学は福澤諭吉に帰る時でないか?

ツイッター#安全保障学の武内教授は現代版「兵論」を出版した

福澤は、抑止力の必要性や、国防予算の必要性について、兵論の中で説いている

また、東アジアにおける大陸国家出現の可能性も予測している

我々は、戦略環境のパラダイムシフトが進む中で、原点に戻り、これからの東アジアのあり方について、戦略的に思考する時でなかろうか

抑止の維持のあり方、抑止をサポートする技術のあり方等について、原点から見直すべき時である

何故ならば、中国の弾道ミサイル増強により、米抑止が空白化し、戦略環境のパラダイムシフトが進んでいるからである

戦略環境は、明治維新と同様に、新たな時代を迎えている

今は「第二の明治維新」である

鎖国が開かれ、列強の脅威に直面した明治維新と、中国の弾道ミサイル増強により戦略環境がパラダイムシフトしている今とは、戦略環境の激動という意味では同じである

また、鎖国により自国内に集中できた状況から、外界に直面した明治維新は、日米同盟における、米抑止の完全庇護が終わりを告げている今と同じである

東アジアの安全保障に、我が国は関与しなくてはならない状況に至っている

日米同盟の継続の為、東アジアの民主主義維持の為、我が国は東アジアの安全保障に関与することが必要な状況に変わっている

最早、専守防衛という「鎖国」は許されない状況になっている

中国の弾道ミサイル増強により米一強時代は終わり、米抑止がむしろ空白化している

東アジアの安全保障に我が国の協力が、日米同盟継続の為にも、東アジアの安全保障の為にも必要な状況に変わっている

第二の明治維新を迎え、我が国に必要な思考は、戦後の米抑止完全庇護の時代のような、受動的な思考ではない

自らが、新しい、戦略環境の中で、抑止を確保しようとする姿勢が必要である

最早、冷戦期のように、米戦略の1ピースで済んだ時代ではない

経済協調等、東アジアにおける米国益が曖昧化する中で、我が国が主導して、新たな戦略を打ち立て、東アジアにおける米の本格的コミットメントを引き出していかなければならない状況に至っている

我々は今、福澤諭吉に帰るべき時である

白紙的に、東アジアにおける、我が国の戦略的責任について自覚すべき時である

それは、東アジアの民主主義を維持し、そのために必要な抑止を維持して行くことである

このように、我が国の東アジアにおける責任と立ち位置が確認されれば、自ずから、憲法改正の必要性や、軍学共同研究の必要性も明らかになるものであろう

我が国は米抑止完全庇護の「戦後」、「僥倖」から、目覚めなければならない

そして福澤がしたように、「戦略的思考」をし、憲法改正や、技術面の対応等、新たな抑止の為の戦略を実行していかなければならない時である