尾崎豊は 生きていた | 平和まもる美術館

平和まもる美術館

童話とエッセイを中心に
詩人「平和まもる」が、普段着でお届けします。



愛の消えた街を


俺は 彷徨っていた


夜の帳の中


自動販売機に


ジーンズの男が 立っていた


尾崎豊だった



「ビックリして 尾崎豊さんでしょ?」って


声をかけた



「うん そうだよ


缶コーヒー 値上げしたんだね


100円玉で 買えないと


困るんだけど ・・・」



どうしてって聞いたら



「大人の事情・・・って言ってた」



尾崎豊は ここまで


バイクで来たみたいだ


横に400ccのバイクがあったから ・・・



「このバイク盗んだの?」って


俺は 尾崎豊に聞いた



「盗んでない!」って


むきになっていた


俺をにらむ君の瞳は


忘れかけてた情熱を 教えてくれた



夜の校舎の窓ガラスの


弁償は済んだの?って聞いたら



「シェリーに聞いてくれ」って言ってた



尾崎豊とドーナツ・ショップで


夜が明けるまで 語りあった



あと何度自分自身 卒業すれば


尾崎豊を「卒業」できるのだろう?


大好きな 尾崎豊に会えて


本当に 嬉しかったよ


夢でもいい


本当に 嬉しかったんだ


尾崎豊!ありがとう


会いに来てくれて



作 平和まもる