買ったまま読んでいなかった本(いわゆる「積ん読」)を夏休み中に読んだうちの一冊。

ゴジラとアメリカの半世紀 (中公叢書)/ウィリアム・M. ツツイ

¥2,100
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日本人?として「ヒロヒト」の次に有名、という話は知っていたが、アメリカでの受け入れられ方については詳しく知らなかったのでわりと面白く読んだ。
アメリカでは大きくて強いものに「~zilla」という呼び名を付ける習慣が今も続いているそうだが、本家の日本ではそういうことはないね。最近は少なくなってきたけれども「超ド級」というイギリスの戦艦の名前から来た形容句が使われている、というのがそれにあたるのか? とてつもないものは外からやってくる?

全然関係ないけど、ゴジラの二作目と三作目の間に作られた怪獣映画のタイトルを見ていて、「空の大怪獣ラドン」(1956年)と「空の怪物アグイー」(1964年)の間にはどの程度の関係があるのか、と思った(実は以前から気になっていること)。

卒業論文・修士論文・鼎談本・単行本といろいろ書くことになる大江健三郎を最初に読んだのは新潮文庫の『空の怪物アグイー』で、図書館で見かけて「怪獣は出てくることはないだろうけれど、どんな話なんだろ?」と思ったのがきっかけだった。「空の大怪獣ラドン」をテレビで見ていなかったら手に取ることはなかったかもしれない。

 空の怪物アグイー (新潮文庫)/大江 健三郎

¥500
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この短編集は実はいい短編が収められていて、「アトミック・エイジの守護神」(1964年)、「ブラジル風のポルトガル語」(同年)など、大江ワールドの入口としては「死者の奢り」(1957年)や「飼育」(1958年・芥川賞受賞作)なんかよりもずっといい。

他にも『いかに木を殺すか』や『河馬に噛まれる』にもいい短編が収められていておすすめなんだけれど、前者は新刊では手に入りにくいのかな。

いかに木を殺すか (文春文庫)/大江 健三郎

¥509
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河馬に噛まれる (講談社文庫)/大江 健三郎

¥650
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