3月に入りました。

日本では卒業シーズンだったり、新しい出発に向けての別れの季節とか、
いろいろな思いが交錯する付きだと思うのですが、
こういって曲も月後半には考えつつ、

先月は途中からグラミー賞がらみで最近のヒット曲が中心になったり、
ライブレポートなどもあったりして色々あったので、
ふたたび80'sを中心に色々なタイプの曲を。
特に何曲ものヒットのある人気バンドやアーティストというよりは、
活躍が一時的だったり、一発屋的輝きをもった曲に、
スポットをあてていきたいなと思っています。


さて、今回はタイトルが長すぎて、「英国襲撃シリーズ23」と書こうと
思ったのがかけなかったので、23とだけしか書いてませんが、
今回のグループは、ブリティッシュインヴェイジョンの典型的なスタイルの
ようにみえて、どちらかというとこう言った流れとは違うところから
ヒットを果たしたイギリスのグループの曲です。


ネイキッド・アイズ「僕はこんなに」


イギリス・バース出身のボーカリスト、ピート・バーンと、
キーボーディスト、ロブ・フィッシャーの二人組テクノポップデュオ。

彼らの1983年発売のデビューアルバム「僕はこんなに(Burning Bridges)」
からのファーストシングルで、元々はおなじみのソングライティングチーム、
バート・バカラック&ハル・デイヴィッドによる名曲のカバーで、
イギリスやヨーロッパよりもアメリカで火が付き、人気となった曲です。


①いわゆるブリティッシュインヴェイジョンとは違った流れで、
 化粧やおしゃれな服も着ていないけど、PVを見ると結構なイケメン二人組。
 曲の雰囲気にあったいいPVなのですが、意外に話題にならなかったかも。




②2007年にセルフカバーアルバムを発表し、再始動した時のライブから。
 この時のメンバーはピート一人だけです。理由は後述。
 ピート、わりと最初の方で歌詞忘れもしてます^^;;



☆Naked Eyes "Always Something There To remind Me"
from the album "Burning Bridges"
1983年Billboard Hot100 最高位8位


I walk along the city streets you used to walk along with me
And every step I take reminds me of just how we used to be
Well, how can I forget you, girl?

>> 君と一緒によく歩いた街の通りをずっと歩いているよ
>> 一歩歩くたびにボクらが一緒にいたことを思い出してしまう
>> ああ、どうやったら君を忘れられるんだい?

When there is always something there to remind me
Always something there to remind me

>> いつもそこはボクに何かを思い出させる場所
>> いつもボクに何かを思い出させるんだ

As shadows fall, I pass a small cafe where we would dance at night
And I can't help recalling how it felt to kiss and hold you tight
Well, how can I forget you, girl?

>> 日が暮れると、ボクらが夜にダンスを踊ったあの小さなカフェを通り過ぎる
>> 君とキスをして、きつく抱き合ったあの瞬間がよみがえってきてしまう。
>> ねえ、どうやったら君を忘れられるんだい?

When there is always something there to remind me
Always something there to remind me
I was born to love her, and I'll never be free
You'll always be a part of me

>> いつもそこはボクに何かを思い出させる場所
>> いつもボクに何かを思い出させるんだ
>> ボクは君を愛するために生まれてきた、逃れられやしない
>> 君はずっとボクの一部であり続けるんだ

If you should find you miss the sweet and tender love we used to share
Just go back to the places where we used to go, and I'll be there
Well, how can I forget you, girl?

>> もし君が失ってしまったボクらのずっと温めてきた甘くやさしい愛をまた探しているのなら
>> あの頃のようにこの場所まで戻ってきておくれよ、ボクはここにいるよ
>> ああ、どうやって君を忘れたらいいんだい?

When there is always something there to remind me
always something there to remind me
I was born to love her, and I'll never be free
You'll always be a part of me

>> いつもそこはボクに何かを思い出させる場所
>> いつもボクに何かを思い出させるんだ
>> ボクは君を愛するために生まれてきた、逃れられやしない
>> 君はずっとボクの一部であり続けるんだ

'Cause there is always something there to remind me
Always something there to remind me
Always something there to remind me
Always something there to remind me

>> だっていつもそこはボクに何かを思い出させる場所
>> いつもボクに何かを思い出させるんだ
>> いつもボクに何かを思い出させるんだ
>> いつもボクに何かを思い出させるんだ

(repeat)


ここでは男性が歌っているので、男性言葉で訳を書いたのですが、
男女どちらの目線で書いても、せつなく未練の残る心を描いた曲で、
広くいろいろなシンガーに歌われてきました。

最初にバカラックたちがこの曲を書き、デモテープに録音させたのは
ディオンヌ・ワーウィックで1963年のこと。
しかし、シングル盤として最初に出されたのは、翌年1964年の
アメリカのソウルシンガー、ルー・ジョンソンによるもので、
Billboard Hot100では49位まで上昇しました。

同じ年の9月、イギリスの当時新人女性シンガーだった、
サンディ・ショウがこの曲をカバーし、イギリスでNo.1となったのが、
日本で最初にこの曲が紹介されたものでした。




このサンディ・ショウのバージョンが日本で発売された頃、
ちょうど、東京オリンピックが開催されていたところから、
この曲に付けられた邦題が、


「恋のウェイト・リフティング」


世紀の迷邦題といわれる、全くわけのわからないタイトルになってしまったのです。(^_^;)

この曲のどこに、ウェイト・リフティングの要素が・・・(笑)


とはいえ、この曲はその後、初めにデモテープを録音したディオンヌ・ワーウィックが、
「Who Is Gonna Love Me?」とのカップリングでTop40入りさせています。





やっぱり、バカラックメロディーには、ディオンヌ・ワーウィックがよく似合いますね。

リリース当初は「恋のウェイト・リフティング」と書かれていたようですが、
後に「愛の思い出」というタイトルで落ち着いたようで、一般にはこの邦題で、
知られているようです。


このほかにも、カーペンターズがバカラックメドレーの中で取り上げていたり、
ドナ・サマーやパティ・ラベル、近年ではオール・セインツなどがカバーしています。


ネイキッド・アイズは、当初この二人に、後にティアーズ・フォー・フィアーズとして
活躍するローランド・オーザバル、カート・スミスも含まれたバンド、ネオンとして
80年代前半から活動しはじめ、のちに二人が独立してネイキッド・アイズを結成。

ファーストアルバム「僕はこんなに」から、この曲がアメリカで最高位8位のヒットを記録し、
同じアルバムから、「プロミセス・プロミセス(Promises, Promises)」、
「灯りが消えるころ(When The Lights Go Out)」と3曲がTop40入り。

イギリスで結成された二人組ながら、イギリスやヨーロッパなどでは、
あまりチャートが伸びなかったのが災いしたのか、
続くセカンドアルバム「イン・ザ・ネーム・オブ・ラブ(Fuel For The Fire)」は、
アメリカでも「イン・ザ・ネーム・オブ・ラブ((What) In The Name Of Love)」が、
ぎりぎりでTop40入りした以外大きな話題にならず、このコンビもあっさり解消してしまいます。


その後、ピート・バーンはしばらくの間ソロシンガーとして活動しますが、ぱっとせず、
一方のロブは、新たにイギリスのシンガーソングライターのサイモン・クライミーと組み、
クライミー・フィッシャーというユニットとして、
「ラブ・チェンジズ(Love Changes)」の大ヒットを発表しますが、
こちらもあまり長続きせず、作曲家として活動を続けていました。

1999年、そのロブが腸がんのため39歳の若さで他界。
21世紀に入り、このユニットをもう一度自分の手で再生させるべく、
ピートがソロプロジェクトとして再スタートし、2007年にセルフカバーアルバムを発表。
ライブ活動とともに、この2011年には新作アルバムの予定もあるそうです。


活動期間は短かったですが、どのヒット曲もメロディの優れたいい曲ばかりなので、
ベストアルバムで確認するのもいいかもしれません。


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