●キッズスクールの軸を考える
キッズが増えてきて、ビギナーキッズ向けのスクールを始めようと思うけど
内容をどうすればいいかなぁと、悩んでいます。
ということを、耳にします。
実際私も、お仕事としてスクールの内容の構成のお手伝いをさせていただいたりもしております。
その中で一番大事かなぁと思って軸にしていることは、
「自分の力で考え、自分の力で登る、そして、自分の力で下りる」
これができるようになるのが、
当たり前のようですが、なかなかできないんですよね。
私もそうですが、ついついアドバイス多寡になりがち‥
で、チク坊に怒られます‥
「自分でどうやって登ろうか、考えてたのに!ママうるさーい!」
😅😅😅
●キッズイベントから学ぶこと
私が数々のキッズイベントをこなしてきて思うところがあります。
大事なことってなんだろうと。
例えば、3メートルのキッズ壁でも、子供たちは上まで登るのが怖くて諦めてしまう子もいます。
親御さんからしたら、
もう少しがんばれよ!
とか、
うちの子はあきらめが早い‥
とか、
思うところもあるかなぁと。
しかし私が大事だと思っているのは、
怖いと思って、下りる!と子供が「自分で決断」して、
そこから自力で地面まで降りられるか?どうか?
だと思うんです。
上まで登れなくても自力で降りられる子
でも、全然怖がらなくて上まで行ったはいいが怖くなってなかなか降りてこず、
結局私が登って片手で抱っこやお尻サポートで下ろしてもらう子
いろんな子がいます。
もちろん、怖がらずに上まで行く子は、それでそれですごいな、と思いますが、
クライマーという観点から思うと
前者の子のようにイベントで私は指導しています。
降りてくるのはいいけど、自分の力でちゃんと降りてきなよ!
と。
もちろん、スポットはします。
●子供を登り方の型にはめすぎない
スクールを行うのに、やはり、ムーブを教えることは必須です。
しかし、いろんなキッズに接してきて、
本当、子供って大人が思ってる以上のアイデアを出してきてたりするわけで、
そんな登り方でできるんかい!
って驚きがよくあります。その可能性を潰してしまうのはもったいない。
だから、例えば、キョンとかフラッキングとかヒールフックとかムーブをまず教えてしまうよりも、
体全体を使った登り方をまず教えた方が伸びると思っています。
体全体を使った登り方とは、
まず、
スタティックで行くのか?ダイナミックで行くのか?
つまり、じわじわとるのか?せーのっととるのか?
それだけでもだけでも良いと思うのです。
これを軸にすれば、
できないところを、さあ、キッズたち、どういこう?
じわじわいく?せーのといく?
じわじわなら、壁を足トントンして行こうか?ぎゅーっと肘を曲げてみようか(引き付け)
せーのなら、飛んで(ランジ)みようか?体をふりこにしてみようか?
できないところを考えさせて、
ヒントだけ大人が与えて、自分の力で試し、自分の力で登ってみる。
自然と、スメアリングやランジや引き付けやフリとか
勝手にムーブができてくる。
ムーブなんて、後付けでよいのだ❗️
(言い切った😅😅)
●キッズが興味を引く「遊び」を取り入れる
やはり真面目な内容は
園児だと10-15分、小学生高学年でも30-40分くらいが限界でしょうか?
60-90分のスクールやイベントだと、いかにキッズの集中が切れずに話を聞いてくれるか?
長年キッズの講演もしてきて思うことは、
内容に遊びを取り入れることだと思ってます。
例えば、一番簡単なところだとジャンケンでもいい。
ジャンケンで勝った人は、この課題ね。など。
先生が、あなたこの課題ね、あなたあの課題ねと、
決めてしまわずにジャンケンしてしまう。
(もちろん、講師側のやらせたい課題の思惑もあるので、ジャンケンしてだれが当たってもいいように課題を考えておく必要はあるかも)
また、
クイズを出す。
「さあ、これから登る〇〇くんは、上まで何秒で登れるか〜?クイズね!」
とか。
物を取り入れる予算があれは、
風船や飴ちゃんをゴールに張り付けて落とした人がゲット!ご褒美〜
とか、
紐を使って、紐の周りはマグマだからね〜あちいよー
とか、
講師が紐を下でぐるぐる回して
紐に当たらないように登ってね〜
とか、
それだけで、かなり楽しんで登ります。
やっぱり
楽しいが一番伸びます!
そこまでしなくてもとか、ご褒美なんかなくても登れるようになるのが一番だよ
とか、これまでご意見頂いたこともありますが、
いやいやいやいや‥
草コンペ中や岩場で、
早く終わられせてうまいビール飲みたいなぁ〜なんて
言ってる大人を何人も出会いましたよ😅(私もそう😅)
岩場で何ヶ月も打ち込んでると、
もう、今日は来たくなかったけど、無理やり来た、くるのだるかったわ〜
という、大人も何人も出会いましたよ😅(私もそう😅)
子供も同じだと思うのですよね。そこに
ちょっと楽しくなる手助けやアイデアを大人が出してあげるだけです。
でも、登るも降りるも、「自分」だよ。って。
私はそう思ってます。
あとは、ストレッチやエクササイズを
動物に見立ててやったりしてます。
ゾウさん肩回し、キリンの背伸び、フラミンゴのバランス、ゴリラもも上げと肩甲骨開き、ペンギンの股関節運動
などなど。
●スポーツにとって大事なことを教える
将来このキッズたちの中からまた、世界的クライマーが生まれるでしょう。
しかしながら大半のキッズは、他のスポーツをやることになったりして、クライミングと離れてしまうでしょう。
そう考えると、小さいころに、クライミングのキッズスクールに入ってて、よかった!
と思えるものでありたいな、と私は考えるのです。
メジャーリーガーが小さいころクライミングやってたから今役立ってる。
なんて言ってくれたら、結構嬉しいじゃないですか😃
そう思うと、
しっかりスポーツとしての基礎を教える
とよいと思うのです。
ウォームアップはもちろん、クールダウンを疎かにしているスクールもあるので、
私はしっかり怪我防止でクールダウンも取り入れ、
キッズに癖付けさせます。
これは、毎回やることでの癖付けだと思います。
そして、アスリートキッズに大事なのは
体のブレない軸づくり
これは、どのスポーツを今後キッズがやることになっても
できていて損は全くないもの。
どんな筋トレさせるより、まずは、ブレない軸づくりだと思います。
まして、キッズに重りをつけて自重以上の負荷で筋トレやクライミングをやらせるのは
成長過程で良くないと私は思います。
まずは、姿勢。姿勢をよくすること。
猫背多い!猫背の時点ですでにブレてる💦
片足立ちや
バランスディスクなど不安定な場所でしっかり立てる
バランスボールの上でV字ができる
などなど。
もちろん柔軟性もないとバランスも取りづらい。
あとは、
すべての筋肉を自分の意思で動かせるようになったらベスト!
よく使う筋肉とあまり使わない筋肉が出てきます。
それがアンバランスになると怪我したり、疲労が抜けなかったり。
100の力を出そうとするのに80しか出なかったり。
自重を使った軽い負荷のエクササイズで
クライミングであまり使ってない筋肉にも刺激を入れておくのがよいと思います。
たとえば、
腕を上から下に引く動作はクライミングでやるので、
腕を下から上に上げる動作のエクササイズを取り入れるなど。
そうすることで、成長期にアンバランスな筋肉の発達や怪我を防げると思います。
最近ジムでキッズも増え、こんな記事も書かせていただきました。