二次創作小説⇒アンジェリーク小説「Promise」アリオス×コレット | ミにならないブログ~ゲーマー主婦のお絵描きと子宮体癌~

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二次創作小説


作品
アンジェリーク
アリオス×コレット

執筆日
2007年12月21日

コメント
クリスマス記念2007です
トロワ編で前作の続きに近いかもしれませんね
だから、前作を読んでない人は
戻って前作を読んでみてください^^
別に完全に続編ってわけではありませんので、
短編としてでも読んでいただけます
聖地にはクリスマスとか俗っぽい
イベントないからどうしようかと悩みました
楽しんでいただけたら幸いです

小説

「Promise」



アンジェリーク コレットが約束の地に通いだして、もう数ヶ月が経っていた
はじめはアリオスに逢えるかも…とあわい期待を抱いて通ったいたのが
今ではすっかりアリオスがいる日にだけ通って、あとは女王としてのやるべきことをしている
決してさぼっているわけではない
だが、何人かの守護聖たちは、コレットが約束の丘に通うのを不審に思っていた
その中でも1人の守護聖が確信をついてきた

「なぁ、コレット、おめぇ~週2回は約束の地に行ってんのな?」

ぶっきらぼうにそう質問してきたのはゼフェルだった

「は…はい…」

「ま、たまには息抜きしてぇ~気持ちもわかるけど、銀髪のおっさんだけには気をつけろよな
 あと、金髪のおっさんにも知られねーよーにしねぇと、大変なことになるぜ、じゃあな」

そういうと私の返事も聞かずに立ち去ってしまった
ゼフェルはアリオスと コレットが約束の地で密会しているのを、知っているような素振りだった
また、それをジュリアスに知られると大事になることを心配してくれていたのだ
ゼフェルは口は悪いが、心は素直だ
だからこそ、二人の気持ちを考え、あれでも応援してくれているのだと、コレットは嬉しく思った

(ゼフェル様、ありがとう…)



心の中で思いながらも、今日もコレットは約束の丘へ向かった
季節は冬、聖地では四季など関係なく年中暖かくてよっぽどのことがない限り天候は崩れない
だが、ここは育成途中のアルカディア、女王の力も未熟で天候は崩れやすく雨や雪が降ることもある
この日は初めての雪がアルカディアに降り積もっていた

「アリオス!」
「よぉ、コレットか、またきたな」
「またとはなによ、またとは…」
頬を膨らませ怒るコレットに、
「オタフク」
と笑ってみせるアリオス
そこには二人の時間が流れていた

「ねぇアリオス、1つお願いを聞いてくれるかな?」
「あぁ、俺で出来ることならいいぜ」
「この約束の地にある大きな木をクリスマスツリーのようにしたいの」
「はぁ?」
アリオスは少し呆れた顔で木を見上げた
その木は大木で空でも飛べない限り、上のほうにまで飾りつけをつけることは不可能だ
「ダメ?」
かわいくお願いするコレットに
「ダーメ!」
とそっぽを向くアリオス

「…」
しゅんとうなだれるコレットは、とてもわかりやすい性格をしていた
「全く…、雪だるま…雪だるまくらいなら作ってやってもいいぜ」
落ち込むコレットに、本当は作りたいなんて思ってもいなかったが、コレットの笑顔が見たくてつい口走ってしまった
だが、時すでに遅し
「本当?」
とにんまりと笑うコレットは、今泣いた子供がもう笑った、まさしくその通りだった
前々からコレットのことを子供扱いしていたアリオスだが、益々子供扱いをするようになるだろう
「仕方がねぇな、お前の笑顔が見れるなら、作るとするか」

そういうと、二人で大きな雪だるまをつくりはじめた


またたくまに雪が集められおおきな球を描いていく
目には石が、口には枯れ葉を、そして頭には昨晩コレットが1人で作ったというサンタの帽子をかぶせた
そして、その帽子は5つも作ってあり、1つは雪だるまに1つはアリオスに、1つは自分でかぶった
「用意がいいな」
「うん、雪が降ったら絶対メリクリをやるって決めてたんだ」
「メリクリ?」
「メリークリスマスだよ」
「ああ、クリスマスか…そんな響き随分忘れてたな」
「でしょ?私もこっちにきてから、季節感なんて全然感じないから、
 もしも雪が降ったら絶対にクリスマスを祝うんだって決めていたんだ」
「でも、クリスマスを祝う国って少ないんだぜ」
「えーそうなの?」
「ま、お前が楽しいならそれでいいか」
「うん」

コレットはいつも以上にテンションが高く、アリオスもあっけにとられているほどだ
女の子はイベント好きだというが、まさしくその通りだと痛感するアリオスだった

「これ、サンタの帽子と一緒に作ったんだ、使ってくれる?」

コレットはおもむろにバッグからマフラーを取り出した
これは随分前から、アリオスを想って編んであったのだという

「ああ、ありがと、俺はプレゼント用意してないんだが…」

「ううん、一緒にいてくれる時間をプレゼントしてくれてるじゃない、いつもわがまま聞いてくれてありがと」

嬉しいことを言われて、アリオスは思わずコレットを抱きしめた
二人はしばらく約束の地の大木の下で抱き合ったままだった
横では大きな雪だるまが二人を見舞っていた…



幸せな時間は短いのが常
二人の時間を壊すかのように、ランディとゼフェルが二人の元へ駆け寄った

「おーい、コレット、ジュリアスとエルンストが呼んでるよー」
大きな声で叫んでいたのはランディだ
あわてて、二人は体を離した

「ちっ、やっぱりおめぇーも一緒だったか、アリオス」
ゼフェルがアリオスを睨みつけた
「フン、じゃ、二人も女王を守る騎士(ナイト)がきちゃ、俺は行くぜ」
そういって、もらったマフラーを首に巻き、約束の地を去った
「アリオス…」

コレットが淋しさに浸っていると、ランディがせかすように叫んだ
「ほら、コレット、早く早く!育成が大変なことになってるんだって!」
そう聞かされて、ふと我に戻った
「ほら、ぐずぐずすんなよ、王立研究院で急ぐぞ」
二人に手を取られそのまま走り出さざるをえなかった


王立研究院につくと、厳しい表情の守護聖、協力者さまたちが勢揃いしていた
「遅かったな、どこへ行っていた?」
そう尋ねてきたのはジュリアスだった
「すみません、ちょっと…」
「ちょっと…とは?」
「あの…」
「私達に言えないことでもしていたのか?」
「いいえ、そういうわけじゃ…」
口ごもるコレットに容赦ない追求をするジュリアスだったが、ルヴァが二人の間に入り会話を止めた
「まぁまぁ、今はどこにいたかが問題ではありません、目の前の現実に対処していきましょう」
優しい口調でそう告げたあとは、エルンストが今の育成の状況の説明をはじめた
どうやら、コレットが守護聖からの力を育成地に反映できておらず、バランスを崩しはじめていたようだ
だから、天候もくずれ雪が降りはじめていたのだ
今では外はまるでふぶきのように激しい雪に変わっていた

エルンストの説明ではジュリアスの光の力と、オスカーの炎の力、そしてルヴァの地の力が増えれば
この危機を回避できるようだ
3人の守護聖の協力を得て、女王は育成地へ飛んだ
育成地で直接3人の守護聖の力を解放しようとしたが、雪はどんどん量が増え、目の前すら見えないほど
酷い状況に陥っており、コレットが力を解放しようとした瞬間、吹雪で体ごと飛ばされた
「アンジェリーク!」
ジュリアスとオスカーは雪に埋もれ動けない状況になっており、叫ぶことしか出来なかった
ルヴァは雪の上に倒れ意識を失いかけていた

「おっと」
誰かの体で受け止められたコレットは、雪の上に倒れることもなく無事だった
「ったく、世話がやけるな、コレットは」
後ろから抱きかかえてコレットの体を支えていたのはアリオスだった
「なんでここに?」
「そんなことより、早く力を解放しろ、俺もそろそろ限界だ」
「うん、わかった」

ピロピロピロ
育成地に力を光・炎・地の力を注いだ
少しすると、吹雪が普通の大雪に変わり、雪に変わり、雨に変わり、いつの間にか雲が晴れ太陽が顔を出した

「はぁ~死ぬかと思いましたよ」
ルヴァが起き上がりそういった
「お嬢ちゃんは大丈夫か?」
「はい、大丈夫です」
「今回はそなたの活躍に感謝しよう」
ジュリアスはアリオスに向かって言った

「では戻るとするか… コレットはアリオスともう少し育成地の様子を見てから戻って来い」
「ジュリアス様、いいんですか?
「あぁ~ジュリアスったら…うふふ」
ジュリアスの発言に意を唱えるオスカーと、ジュリアスの優しさを感じて笑うルヴァの会話がなんともかみ合っていない
3人は二人のお邪魔にならないよう、そっと王立研究院へ戻っていった

「フン、気なんか使いやがって…」
守護聖たちに気を使われたのを、よく思わなかったアリオスだが、本当は少し嬉しかったのだろう
普段は見せないような笑みがこぼれていた

「アリオス、助けてくれてありがとう」
「俺があの時ふんばれたのは、これのおかげかな」
アリオスはそういうと、先ほど約束の地でコレットからもらった手編みのマフラーを指指した
そのマフラーはしっかりアリオスの首に巻かれていた
「ありがとう、ありがとう」
大粒の涙を流しながらコレットはアリオスの胸に飛び込んだ
「バカだな、たいしたことじゃない」
そういってコレットを強く抱きしめた
コレットの顔を引き寄せ顔をこれでもかってほど近づけた
「だが、これからは育成の手抜きはするなよ、約束だ、ジュリアスが怖いからな」
そう小声で言うとコレットの唇に軽くキスをした
コレットは笑って頷いた…

恋も大切だけど、育成に失敗すると今日みたいなことが起きてしまう
それでせっかく誕生した人が死んでしまうことだってある
アリオスばかりにかまけていられない、そう気付かされたコレットだった

**END**

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