民主党の公約至上主義 | きつねの部屋ブログ版

民主党の公約至上主義

八ッ場ダム中止にしても、補正予算から3兆円の”無駄”金を引き出すにしても、これは民主党がマニフェストに掲載したからそうしたという。


でもまってよ。


マニフェストはたしかに有権者に対する公約であるけれど、契約書ではない。

こちらが判子をおした覚えもない。


また有権者の大多数が民主党に票をいれたとしても、全員がマニフェストに書いてあることを承認し、白紙委任状を与えたわけでもなかろう。


マニフェストは法的な拘束力はないのである。


マニフェストに書いてあることは、政権をとったら直ちに実行します、ではなく、まずは政権をとったら検討し、現実とのすり合わせをし、結果、時間がかかっても実現の方向へ向かいます、ということのはずだ。


また、問題や実現困難なものがあれば、充分国会で審議し、修正をほどこしたところで有権者からクレームがくるということではない。


また、いきなりマニフェストに書いてあることを実行するなら、まずは説明をすべきだろう。

民主党内部では論議が戦わされての結論かもしれないが、マニフェストには他党との違いを出すための選挙対策的な思惑もはいっているので、政権をとったらまずは再検討をするのが筋だろう。


その再検討もせずに八ッ場ダムのようにいきなり中止ありきでは、乱暴すぎる。

ダムはムダ?(笑)


また補正予算は無駄づかいが多すぎるとしても、どこまでが無駄でどこまでが無駄ではないのか、明確なものさしをしめすべきだろう。

これも3兆円という数字だけが一人歩きしているようにみえる。


政治主導といいながら、結局具体的かつ技術的なことは官僚に任せているとしかおもえない。

政治家がただ指示しているだけなら、それこそ公約違反だ。


いや、まあいい、政治家が官僚を指示していくのは姿としては間違っていない。

彼らを使いこなしてこそ政治家といえる。

問題なのは省益と政治家個人との利益が一体となることだ。

これさえなければ、官僚を使うことには否やはない。


だから官僚をうまく統率して使えよ、ただし距離をおけ、官僚とは癒着しなければいいといいたいだけ。

八ッ場ダムにしてもまずは官僚の説明をじっくり聞き、そのなかでオカシナ部分を追求し、修正してのちどうするか判断すべきだ。

それもなく結論だけだしては政権交代した意味はない。


民主党もマニフェストありきで政策をすすめると必ず軋轢がしょうじる。

いっていることとやっていること、マニフェストに書いてあることとが矛盾だらけになっていき、クビがだんだん回らなくなってくるのは必至だ。


ここらでいちどマニフェストのなかで優先順位をきっちりつけ、なにもこの4年ですべてやろうとせず、実現が難しいことは後回しにしてもいい。


あれはやめよう、これも削れだけではないのか今の民主党の政策は。

コンクリートに金をまわすのではなく、人にまわしたい、その気持ちはわかるのだが、マイナスの論理では生み出すものは過小だし、夢がもてなくなる。

な~んにも財源を生み出すような積極的な政策はないようにみえる。



あまりにも民主党は政権交代を明確にするため急ぎすぎているのではないか。

民主党にはじっくり考えて政策をすべきだ、なにしろ拙速をし、失政することこそがいちばん国民が望んでいないことなのだから。