電力と需要のバランス | 2012年未来への旅(タコ君編)

電力と需要のバランス

東京電力の計画停電に対して、私はもっとみんなで節電、それも個々人だけでなく企業、官庁が率先していくべきとの思いで、先の記事を書きました。


この記事に対して、ある方からメッセージを頂きました。

2通目のメッセージになりますので、ちょっと端折った形になってしまいますが、敢えて記事でお返事させていただく事として、これでこの往復書簡はやめさせていただこうと思います。


下記は先程頂いたメッセージの全文です。


グループ1ですから、今日は二度も停電です。
国交省含め馬鹿どもが誤った判断するから、今晩の需給は綱渡りですよ。

>私、個人的には、すでにこれだけ壊滅的な被害が出ており、電力の消費対象自体も減っている現状であれば、みんなで頑張って省エネに努めれば、原発の1基2基くらいの電力くらいすぐに対策できてしまうのではと思うのです。

調べましたか?
こればかりは気合い、気持ちでどうにかなるものではありません。
調べが足りないと思います。

今はやっていませんが、平成21年まで東電では、電力予報というものをやっていました。
これはその夏の一番電気消費量が多い時の消費電力を予測し告知する物です。
21年の一番多く電気を消費した時、その時の電力は、東京電力管内で5450万kwでした。

つまり当時、東京電力の発電能力は、この5450万kwより多くの発電能力があったのです。

これに対して、福島第1原発の最大発電能力は、1号機が46万kw、2号機~4号機が78.4万kwです。(5,6号機は休止中でした)

ですので、最大発電能力であっても、東電の中で言えば、5%程度の存在なのです。

それがダメになったからと言って、ここまでの状態になる事にこそ問題があると私は思っています。

ですから、全ての企業、官庁、個々人が常に10%以上の節電に心がければ、この事態は十分回避できると私は思っています。
これは気合とかの問題ではなく、やるかどうかの問題だと思っています。

但し、発電所は、急に電気が必要だからと言って、全ての発電機を最高出力で稼働させる事は出来ません。

それは分かった上で、今の緊急事態に何とかすべきだと、そして私たちは出来る事をしなければならないのだと思うのです。

追記です(3/18 0:25加筆)
ocarinaさんから先の記事にコメントをいただきました。
その中に紹介下さっていた下の二つの記事をぜひ、みなさんに読んでほしいと思いここにご紹介します。
【日経BPネット】
福島第一原発で何が起きているのか――米スリーマイル島原発事故より状況は悪い(大前 研一)
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110315/263842/?ST=business

【平井憲夫さんの手記】
http://www.iam-t.jp/HIRAI/page1.html

今の世の中は電気は必要です。
でも本当に原発でなければならないのでしょうか?
そして今回の計画停電も本当に必要なものだったのでしょうか?

自分で出来る世の中の為の事は何があるのでしょうか?

もう一度、じっくりと考えてみる必要がある気がしてなりません。

ただ、今も原発の近く、それこそ放水車で水が届く距離ですから、建屋から50mくらいの所に自衛隊の人をはじめとして多くの人達が行かされています。
その方たちの無事を祈らずにはいられません。
そして原発が安全だと言って誘致した人に、今そこへ行ってみてほしいと思っています。

追記の追記です(3/18 0:40加筆)
先の追記を書いた後、メッセージを頂いた方のブログを拝見すると、私の先の記事に対して頂いたある方のコメントに大変ご立腹しているご様子でした。

その方の言によれば、
> ライフラインをあずかる企業の理念は公益性にあり利益は二の次
ということでしたが、私は決してそうは思いません。
確かにそうあるべきですが、特に原子力開発については、原子力行政と相まって、もはや暴走バスのような状態なのかもしれません。

ここ数年分かっているだけでも、ダム開発や不必要な干拓など、公共工事という名のもとに何十年単位で無用なものが生み出されています。

ダム開発も数十年前は、工業化や人口増加で水資源が足りなくなるというものが、最近では治水対策とか色々と理由を変えていたことの嘘が暴かれています。

電気だってそうではないでしょうか?

電気が足りない→石油も枯渇する→日本には資源がない→だから原子力が必要だ

この論理は正しいって誰が言っているのでしょうか。
一度疑ってみる、見直してみるという考えも必要ではないでしょうか。

日本は今人口が減少しています。
電気製品もどんどん省エネタイプのものに変わってきています。
もしかしたら、いえきっと電気の消費量は年々減ってゆくのだと、いえゆくべきではないのでしょうか。

でも、電源開発を行いたい人がいた場合は、それでは困るのではないでしょうか。

もし出来るのであれば、一度じっくりと原発推進もしくは東電の偉い人と話をしてみたいです。


追記の追記の追記です(3/18 1:00加筆)

東電の電力需要について調べていたら面白いデータを見つけました。
今回の地震直後の電力需要を予測し、それを元に計画停電を決めるための資料でしょう。(恐らくマスコミ向けのペーパーなのでしょう)
そこには、想定需要と実績需要が出ています。

それは、この記事の最初に私が書いた平成21年7月31日の予想需要に比べて大幅に少ない量です。
つまりこれは、福島第一原発の電気がなくても、東電の電力供給能力は大きく上回っているということです。

この事は後々、明らかになり大問題に発展する予感がします。
いたずらに国民を困らせ、混乱に拍車をかけ、そして日本の経済の停滞を招いただけなのかもしれません。

追記及び訂正(3/20 9:30加筆)
停止している発電量として、福島第一原発281.2万kw分のみについて、書いていましたが、停止しているのは福島第二原発440万kw分もありました。
でもそれを入れても東電の総発電量は、東電の需要予想電力を上回っていますし、もちろん実際の需要電力を上回っています。