もう、
去年タネ取りをしておきました。
夏もまだ来てないのに、
スーパーで販売される植物工場の野菜。天候に左右さないため、生産量と価格が安定している。露地野菜の価格高騰で注目が集まった
高騰が目立つレタスは、長雨で苗植えができずに生産量が大幅に減少した。晴天が少なかったため生育が悪く、店頭に並ぶレタスの多くが小ぶりである。
こうしたなか、消費者の注目を集めたのが、植物工場の野菜である。天候に左右されずに生産できるため、生産量や価格が安定しているからだ。
京都府の亀岡工場で1日2万1000株のリーフレタスを生産するスプレッドでは、「17年末から多くのスーパーで品切れが続いている」(広報部の森田聖華氏)という。露地野菜は台風や猛暑などの影響を受ける。年間を通して今回のような状況が発生しているという。
■コスト削減を狙って参入
この状況を商機と捉え、植物工場事業に参入する事業者が増えている。日本施設園芸協会によると、室内の人工光で栽培する植物工場は197カ所あり、7年前の3倍以上に増えた。
ただし、このうち半分が赤字である。植物工場の主な運用コストは、水道光熱費、人件費、減価償却費だ。新規参入企業は、これらのコストの削減を狙う。
三菱ガス化学は、19年春に福島県白河市の自社拠点内に1日3万2000株のリーフレタスを生産できる植物工場を建設する予定である。総投資額は20数億円で、実現すれば国内最大規模の植物工場となる。
レタスを生育させるのに必要な光源に蛍光灯ではなくLED照明を使い、電気代を削減する。同社は化学品の製造プロセスで培った環境制御技術に強みがある。野菜の生育に使う水や養分などを厳密に制御することで、水の使用量を従来工場の半分にする計画だ。