僕は高校卒業後に家庭の事情もあり、ある営業会社に
就職が決まり毎日をクタクタになるまで働きどうにか
生活をしてきました。

彼女が出来る訳でもなく、仕事が出来る訳でもない僕は常に上司に叱られ
営業の成績も最下位が当たり前になっていて、このままの状態では会社に
残る事が危なかったのです。

元々が大人しい性格であり、人と争うというか競うことも苦手だった為
本来であれば営業という職業は自分には 向いていないし性格に合った仕事も
あるのではないかと思いましたが、生活費を考えるとどうしても転職は出来ず
こんな人生を続けていたのです。

今年でもう25歳を向かえてなんとしても病気がちの母の為に収入を増やして
やりたいと思ってはいても、先輩からはああやってみろやこうしたら良いと
アドバイス的なものを受けるのですが、営業の成果には繋がらずにむしろ
取引先に嫌悪感を与えてしまう事もあったのです。

いったい何をしたらいいのかもわからなくなり、仕事への意欲も失い
なるようになればいいとさえ思うようにもなっていってしまい
僕自身は精神的に疲れてしまっていました。

そんな時に、指原莉乃さんの書いた 逆転力 ~ピンチを待て~という
一冊の本に出会ったのでした。

元々アイドル等にも興味が無かったので
指原莉乃さんの事も総選挙で1位になったAKBの人くらいしか
知らずにパラパラとページをめくっていたのですが
どんどんと引き込まれるような感じで
歌も躍りも大したことがなく秀でた部分もない
彼女の体験は、今の僕にかぶって見えてしまい
じっくりと読んでみたのです。

そして彼女の言葉が僕に語りかけ始めました。

「戦わなければ負けない」

僕は常に先輩社員と成績という意識を持ち
戦っていました。

戦わなければ収入が入らないと思っていた僕は
戦わなくても良い相手と知らずに何年も戦い続けて
その結果、負けていたのです。

さらにこの言葉は僕の今を物語っている言葉であり
彼女の言葉が胸に突き刺さりました。

「自分の土俵へ逃げる」

今まで僕は常に相手の土俵で戦いを挑んできました。

先輩社員のやり方や営業法などを取り入れて
自分を出さずに出来る訳もない方法を使っていたのです。

先輩のように口も巧くなくて、お世辞の一言も
思い付かずに緊張すればどもってしまうような僕が
ずっと相手の土俵に上がり戦っていたのです。

この言葉は僕が今まで悩んできた事を全て
クリアにしてしまうほど印象が強く同時に
勇気づけられたのです。

次の日からの僕は、まず自分の性格は攻撃的じゃないので
先輩のような攻める方法を止めたのです。

攻める方法はまさに相手の土俵に上がる事であり
僕の良さというものを全て否定した方法でもあった事に
気がついたからです。

そしてそれは同時に取引先に対してもそうでした。

これを頼んで欲しいと押しの一言が大事と
教えられていて自分の考えなど無かったのです。

まさに売れない原因はこういった部分にあると
感じました。

具体的にはもう取引先に対して押す営業ではなく
困ってる事やこういう物があれば良いといった
希望や願望などを聞いて回り始めたのです。

そして営業に結び付かないと分かっていても
僕は希望の品を見つけては取引先に知らせ
夜遅くまで自社の営業等は全くしない事をしていました。

先輩は笑い声を高々と上げて大笑いです。

でも僕は黙々と聞くという事にこだわった事を
続けました。

聞くという事は僕が一番得意とする事であり
この聞くという行為が人生の転機となっていったのです。

こんな一見すると馬鹿らしい行動から1週間が過ぎ
契約の1件も取れないでいた僕は週明けに
12件の新規での契約の電話を受けて
信じられない気持ちでした。

取引先の相手から紹介されたという会社からの
専属での担当を受けて、わずか1日で3ヶ月分に相当する
契約をあげる事が出来たのです。

まさに、「自分は他人が見つけてくれる」という
状態になったのでした。

自分というものを無理矢理に自分自身で
見つけようとはせず、彼女が言う他人に
見つけてもらったのです。

指原莉乃さんという女性もかなり浮いた存在で
苦労をしてきたようですが、こんな素敵な考えなど
僕には思えない事でした。

今、僕はその後の契約も順調になり
今年の契約状況が良ければ課長の話が出ています。

こんな転機が訪れたのも指原莉乃さんという女性が
とても素敵な本を書いてくれたお陰ですし
僕のバイブルとして今後も大切にしていきたいと
思います。

そしてこれからは指原莉乃さんのファンとして
ずっと彼女を応援し、見守っていく事を
自分自身で誓いました。